パナソニックは9月3日、乾電池「エボルタ」の長持ち・パワー実証実験として単1乾電池のエボルタを動力とした車両で世界最長距離の鉄道走行を実施し、ギネス記録の取得に挑戦する「エボルタチャレンジ2015」を発表。新車両の設計とデザインを手がけた生徒が通う埼玉県立川越工業高校で発表会を実施した。
エボルタを使った実証実験は2008年の発売当初から毎年実施しており、第1回はロボット「エボルタ君」がグランドキャニオンの断崖を登頂。2014年に初めてエボルタを動力にした電車での実証実験を開始し、およそ8.5kmの走行に成功した。
今回の挑戦に使用される新車両は、川越工業高校の電気科の「電車班」に所属する13名の生徒が設計し、車両ボディーのデザインを同校のデザイン科の生徒が担当。ギネス記録挑戦の舞台は、秋田県の「由利高原鉄道株式会社 鳥海山ろく線」で、約10kmの区間を往復し、合計約20kmを走行する。“乾電池で走る車両が路線上を走行した最長距離”のギネス記録の取得を目指すという。
川越工業高校の電車班が登壇し、担当した箇所を解説
発表会では、電車の制作を担当した電車班の生徒が登壇し、制作を担当した各パーツごとに特徴や心掛けた点を説明。また、8月に実施したテスト走行では、鉄橋あたりのカーブ、ゴール手前にあるトンネルを出た後のS字カーブ、踏切と難所が3ヵ所あることが判明し、それに向けて改良を進めているとのことだ。デザインを担当したデザイン科の生徒も登壇し、デザインについて説明した。
電車班を担当する君島 栄先生は「我々が作っている電車がしっかり走るのか不安ですが、優秀な子供たちがいるので何とかなると思っています」とコメントした。
最後に、由利高原鉄道 社長の春田 啓郎氏がスペシャルゲストとして登壇し、「鉄道会社は堅いイメージがありますが、私は新しいことが好きなので、このチャレンの話を聞いたときぜひやってほしいと思いました。秋田県もどんどん人口が減っているので、こういう機会をどんどん増やしていって、盛り上げていきたいと思っています」と述べた。
ギネス記録への挑戦は11月3日に開催し、由利高原鉄道の「前郷駅」を出発する。ギネス記録達成なるか、気になるところだ。