シャープは8月25日、振り込め詐欺対策機能を搭載したファクシミリ「UX-AF91CL/CW」を発表した。9月11日発売予定で、予想実売価格は、子機1台付属の「UX-AF91CL」が3万8000円前後、子機2台付属の「UX-AF91CW」が4万8500円前後となっている。
不審な電話を自動判別して着信拒否する「迷惑電話フィルタサービス」に対応するのが特徴。このサービスはトビラスシステムズが提供。迷惑電話番号データベースを元に、不審な番号からの着信を拒否する。データベースは毎日更新されるため、最新の情報を元に着信の可否を判断できる。
このフィルターサービスは外付けのモジュールを電話機に追加することで利用可能だったが、今回は電話機本体に搭載することで、高齢者なども簡単に利用できるという。
なお、迷惑電話フィルタサービスは発信番号通知サービスの契約が必要で、月額最大400円(データベースの更新差分の量による)の利用料がかかる。
そのほかにも、同社が3月に発表した振り込め詐欺対策ファクス「UX-AF90CF」(関連記事)と同等の機能を搭載。電話帳に登録していない番号からの着信は、音声アナウンスで相手に名乗ってもらうようにうながし、先に相手の名前と声を聞いてから電話に出るかどうかを判断できる。
さらに、電話帳に未登録の番号からの着信は、赤く光ることですぐにわかるようになっている(電話帳登録済みの番号からの着信は緑に光る)など、電話機独自の機能により不審な電話の着信を防止する。
同社通信システム事業本部 モバイルソリューション事業部長の辰巳剛司氏によれば、2015年上半期の特殊詐欺被害状況は、被害件数が7007件、被害額は237億円になっており、このうちの大半を振り込め詐欺が占めているとのこと。振り込め詐欺の被害額は、1件あたり300万円にもなるという。
最近は年金情報流出を口実にした被害が多く、振り込みではなく現金の手渡しや郵送といった手段を取るケースが急増しているという。
このように“振り込み”ではなくなったとしても、「(詐欺被害の入り口は)だいたい1本の固定電話からはじまっている」とし、どちらにせよ不審な電話を受けないことが重要と話す。
そして「高齢者は自分は大丈夫だ、と思っている人が9割」という現実を踏まえて、「思わぬところにある落とし穴の回避を、本機の機能で支えていきたい」と語った。