CDを大きく上回る情報量を持つ「ハイレゾ音源」。演奏者・制作者の狙いを正確かつ生々しく再現でき、音楽により真実味が出る。タイトルも増えてきて、オーディオフリークだけでなく、自分の好きな曲を最高の環境で聴きたいと考える音楽ファンも多いのでははいか?
今回はそんなハイレゾ音源をたっぷりとためられ、コストパフォーマンスにも優れたオーディオNAS「RockDisk for Audio」(HLS-C2.0HF、HLS-C1.0HF、HLS-C500SHF)のお話。
この2~3年で飛躍的にハイレゾタイトルが増加
ハイレゾ楽曲の配信では、国内の老舗「e-onkyo music」がハイレゾ配信を始めたのは2005年の8月。ちょうど10年の節目を迎えたことになる。ハイレゾ楽曲は次世代のフォーマットとして、今後も確実に浸透していきそうだ。
筆者が「MAJIK DS-I」という、ハイレゾ対応のアンプ一体型ネットワークオーディオプレーヤーを自宅に導入したのは2009年の終わりだが、当時は海外サイトを中心にごく限られたタイトルが配信されているのみだった。実際に聴くのは、CDからロスレスでリッピングして作ったライブラリーだった状況から考えると、隔世の感がある。
国内では、2013年末ごろから、ハイレゾに関する話題が沸騰。携帯型プレーヤーを初めとした手軽なハードの登場に加えて、『ラブライブ!』楽曲をはじめとしたアニソンの配信も開始。メジャーレーベルの本格的な参入も相次いだ。
e-onkyo musicでは、翌年(2014年)には4万タイトルもの新音源が追加されたそうだ。CD盤との同時リリースも増え、クラシックだけでなく、ジャズやポップスの新録音、そして往年の懐メロをアナログマスターからリマスタリングしたものなど、様々な種類の録音が登場し続けている。2015年に入った現在でもその勢いは止まらない。
ハイレゾ音源の保存先はNASが最適
高音質のネットワークプレーヤーで再生しよう
さて、少し本格的にハイレゾ再生環境を整えようと考えているなら、編集部のおススメはDLNAの仕組みを利用した「ネットワークオーディオプレーヤー」の導入だ。特に少し高級なスピーカーと組み合わせたり、リビングや寝室で音楽と寄り添った生活を送りたいというのなら、これしかないと思える選択だ。
推薦する理由は、
- オーディオメーカーがHi-Fi機器として開発しており、音質にこだわった製品であること
- パソコンレスで音楽を再生できるため、リビングやオーディオラックへのおさまりもよく、より気軽に音楽の世界へと入れること
- 購入したり、リッピングした音楽データを大容量のストレージに集約できるため、楽曲の管理が容易になる
──という点だ。
ハイレゾは携帯プレーヤーに保存して楽しむ、あるいはPCにUSB DACをつないで、HDDに保存した曲を聴くという人も多いと思うが、ネットワークオーディオは、NASと呼ばれるLAN接続のHDDやSSDに、曲を保存して再生する。必要なことは2点。まず最初に設置場所にLANがあること(インターネットに接続できることが望ましい)。
そしてこのLANに、以下の3種類の機器を接続することだ。
- ネットワークプレーヤー
ネット上の楽曲データをデジタルからアナログに変換する(レンダラー) - NAS
音楽ファイルを保存するための周辺機器(サーバー) - スマホやタブレット
アプリを使って、再生やファイルを選ぶ(コントローラー)
文章だけでは少しわかりにくいかもしれないが、ASCII.jpの読者であれば、自宅に無線LANルーターを導入している人が多いだろう。であれば、基本的にはネットワークプレーヤーとNASを購入し、ルーターに接続(有線接続が望ましい)するだけで準備は完了。あとはリモコン代わりにする、手持ちのiPhoneやAndroid端末に操作用のアプリ(メーカーが無料のアプリを用意してる場合が多い)をインストール。ここから操作すればいい。
Hi-Fi向けのネットワークプレーヤーは、安価なもので2~3万円程度(高価なものでは100万円を超す機種もある)から幅広い選択肢がある。代表選手はイギリスのLINNが開発した「DS/DSMシリーズ」だが、国内メーカーも積極的に製品を投入している。
マランツの「M-CR611」(関連記事)もその一つで、高音質を追求しつつ、幅292mmとコンパクトな一体型システムに仕上げている点が特徴だ。デンマークのDALI、あるいはイギリスのB&Wの高級スピーカーとセットにしたパッケージも用意されていて、かなり本格的な再生環境が10~20万円程度の予算で手に入る。
(次ページでは、「ハイレゾ音源のファイル容量は意外と大きい」)