日夜、ガジェットに心をときめかせているASCII.jpの読者のみなさま、こんにちは。VRおじさんVRエヴァンジェリストこと広田と申します。
昨今、ゲーム業界などでは、Oculus VRの「Oculus Rift」(オキュラス・リフト)や、ソニー・コンピュータエンタテインメントの「Project Morpheus」(プロジェクト・モーフィアス)など、バーチャルリアリティ用ヘッドマウントディスプレー(VRHMD)がめちゃくちゃ注目を集めております。
……というと、なんだか横文字が並びまくってなんだか怪しさ満点ですが、筆者もドはまりして関連アイテムを鬼のように買いまくり、関連記事もいろいろ書いてきています。一方で、VRHMDは体験しないとその面白さを実感できないので、いまいち多くの人にそのヤバさを伝えきれていないという消化不良感があります。
こんなに楽しいのに、なぜみんなは興味を持たないのか。というかASCII.jp編集部にはVR担当すらいないじゃないかッ!! これは由々しき事態! というわけでASCII.jpの進行担当こと西牧氏を無理やり呼び出し、実際にVRHMDをかぶってもらって、ゆるゆると未来を実感してもらうことにしました。
使うVRHMDは、サムスン電子とOculus VRのコラボで生まれ、画質と入手性にすぐれた「Gear VR」(ギア・ブイアール)です。
出てくる人々
広田 フリーライター、VRエヴァンジェリスト。パーソナルVRのほか、アップル、niconico、初音ミクなどが専門分野。VRにハマりすぎて360度カメラを使ったVRジャーナリズムや、VR・パノラマ系情報サイト「PANORA」、「VRまつり」などのVR系イベントなどを手がけている。
西牧 ASCII.jp編集部の制作進行担当。広田の強引な勧誘により巻き込まれてGear VRを体験することとなったが、本人はまんざらでもない。ウェアラブルガジェット、とくにライフログを取得できるものが大好きで、日々自分の健康状態を把握しているが、一向に健康にならない。趣味は女子バレー観戦。
ニシマッキーのVRレベルを高めたい
広田 はい。なんで呼ばれたのかわかりますか。
西牧 いや、全然わかりません(笑)
広田 最近注目の分野といえばそう、バーチャルリアリティー!!
西牧 !?
広田 ゴーグルをかぶると視界が全部おおわれて、頭の周囲が映像に包まれるというアレね。ニシマッキーはどうなん? かぶったことあるの?
西牧 Oculus Riftを……少しだけ体験したことがあります。
広田 少しだけ? じゃあこの連載にぴったりだ!
西牧 えっ!? 連載? 定期的に記事が載ってこその連載ですよ。ちゃんと原稿をくれるのですか?
広田 ……。それはともかく、そういうあまり経験したことがない人に、今、超流行ってるVRHMDの面白さを伝えていきたいのですよ。
西牧 超……流行ってる?
広田 北米とかむちゃくちゃ流行ってるよ。あと俺の周囲とか。
西牧 そーいえば、SCEのProject Morpheusが来年前半に出るみたいなニュースは見たおぼえがあります(関連記事)。
広田 おっ、製品名が出てくるあたりさすがIT系編集者。VRレベルが高いね。
西牧 ……。
広田 まぁ、それはともかく、VRHMDが超面白いにも関わらず、日本でも気づいていない人が多いのがもったいないんだよねー。特にこのGear VRって、開発キットにも関わらずもう日本の店頭で買えるのがめちゃポイント高い。
西牧 そっかー。まだ普通にヨドバシカメラとかに行って、売ってるのってないんですね。
広田 「ボッツニュー」とか一部のダンボール製VRHMDを除いて、基本的にネット通販だからね。そもそもOculus Riftもまだ開発者向けで製品じゃないし、Project Morpheusに至っては開発機が欲しくても売ってない。そんな殺伐とした状況の中、今年の5月にさっそうと現れたわけですよ!
西牧 Gear VRがですか?
広田 そう。しかも、ニュースを発表したその日に全国のGalaxy Shopに店頭で触れるみたいな流れだったので、それはもうVRレベルの高い者達は、両手を挙げてガッツポーズで喜んだわけです。
西牧 あれですね。4人組の外国人がガッツポーズしてるやつ。
広田 そう! それ!
西牧 今年6月のE3でも、「シェンムー3」の制作発表で大喜びする生放送の映像が出てましたね。
広田 あったねー(笑)。そういう感じ。ただ、もったいないのはせっかく店頭で触れるようになっても、そもそもVRHMDの概念を持っていないと、触りにいかないのよね。
西牧 「これで何するの?」みたいな。
広田 VR大好きおじさんとしては、そこをなんとか打開したいという思いがありましてですね……。きっかけをまずASCII.jp編集部でつくりたいと思って、ニシマッキーを呼び出したわけです。きっと数ヵ月後には「広田さん、ちょっとVR行きましょうよ」みたいな感じで誘ってくれるようになるはず。
西牧 すごいですね。飲みに行く感覚か。
(次ページでは、「VRHMDをかぶっても目の前が見える「パススルーカメラ」」)