ゲームをダウンロードする前にプレイできるというプレイアブル広告プラットフォーム「AdPlay」を手がける台湾のVMFive。AdPlay登場の背景や日本進出について、PRとマーケティングを手がけるジェシー・ウー氏に聞いた。

KADOKAWAに来社したVMFive CEO executive assistantジョー・ユー氏(左)、同PR・マーケティングディレクター ジェシー・ウー氏(右)
アジア圏のスタートアップコンテストで軒並み優勝
VMFiveは2014年5月に設立された台湾のIT系スタートアップで、現在の従業員は32名(2015年7月現在)。台湾のスタートアップコンテストで「FITI」で1位に選ばれたほか、2014年に開催された北京の「TechCrunch」や4月にお台場で行なわれた「Slush Asia」でもグランプリを獲得した注目株だ。

お台場で行なわれた「Slush Asia」でもグランプリを獲得している
同社はクラウドサーバー上にアプリを、マルチデバイスに対してストリーミング配信する技術を持っている。仮想化をベースに「クラウド化・仮想化・モビリティ・ライブストリーミング・プラットフォームの多様化」という5つのテクノロジーで強みを持っているので、VMFiveという社名になったそうだ。
こうした技術を元にしたプレイアブル広告プラットフォーム「AdPlay」が誕生したのは、アプリのダウンロードやゲームユーザーのマッチングに大きなコストをかけているという事業者側の課題がある。ウー氏は、「従来型のインセンティブ広告では、ダウンロードしてもちゃんとプレイしてくれないユーザーが増えてしまう。アプリストア側でもこうしたインセンティブ広告を減ってきている」と指摘する。これを解決するためにVMFiveが作り出したのがダウンロードする前に遊べる広告。「ショッピングの際に試着したり、音楽を試聴するような仕組みを作りたかった」とウー氏は語る。

ゲームのダウンロードの前に試用できるAd Play
市場拡大を見越して日本にも進出
日本では、D2C、アドウェイズなどのモバイル広告代理店のほか、出資元でもあるトレンドマイクロと提携。モバイル広告や予約アプリなど、事業者側のニースにあわせた展開を行なっている。「今までの予約特典アプリでは、文字と画面しかなかった。でも、AdPlayを使うことで、お知らせが届いたら、すぐにユーザーはプレイできるようになった」とウー氏はアピールする。
今年は、日本市場およびアジア各国にも積極的にビジネスを拡大していく。「日本はネット環境やゲームが発展しており、市場の拡大が大きいと考えている。日本支社も設立し、リクルーティングも進めていきたい」とウー氏は抱負を語る。
