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約40万円の全部盛り!! 新「15インチMacBook Pro Retina」を買った!

2015年06月01日 11時00分更新

文● 広田稔(@kawauso3)、編集●ハイサイ比嘉/ASCII.jp

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 筆者は、新しい15インチ「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」(Mid 2015)が発表されると、すぐにポチった。しかも“全部盛り”だ。いきなりそんなことをした決め手は、新採用の外付けGPU「AMD Radeon R9 M370X」(2GB)が魅力的だったから。CPUは2014年発売モデル(Mid 2014)と変わらないものの、Radeon R9 M370XはMid 2014の「NVIDIA GeForce GT 750M/2GB」と比較して、最大70%も高速化しているという。

15インチ「MacBook Pro Retinaディスプレイモデル」(Mid 2015)

 現在、仕事のメインマシンとして使っているのは、2世代前にあたる2013年発売モデル(Late 2013)の15インチRetinaで、こちらもクアッドコアのCore i7-4960HQ(2.60GHz)、NVIDIA GeForce GT 750M(2GB)、メモリー16GBを搭載という“全部盛り”だ。打ち合わせや取材で出先での作業が多くなるため、持ち運べるものの中で最高性能のMacという選び方をすると、自然と15インチRetinaに白羽の矢が立つ。約2kgの重量も毎日持ち運んで使っているうちに慣れてきて、原稿書きや撮影した写真の処理に活躍してくれている。

お仕事マシンとして毎日持ち運んでいる、MacBook Pro(Retina, Late 2013)

 実は一時期、メインマシンをMacBook Airにしたこともあった。原稿や写真を扱う程度ならAirの性能でも何ら問題がなかったのだが、ここ1、2年ほど、VRヘッドマウントディスプレーを専門分野(PANORA VIRTUAL REALITY JAPAN)として取材するようになり、「Oculus Rift」をつないでVRコンテンツを動かしたり、自分で撮影した360度動画を作成するにあたってより高スペックなマシンが必要になったため、再び15インチRetinaへと戻ったのだ。

 360度映像は、小型カメラの「GoPro」を6台正六面体に組み合わせて撮った6つの映像をMacに取り込み、ソフトウェアで重なる部分をつないで、レンダリングするという流れで制作する。このレンダリングは、GPUで加速して待ち時間を短縮することが可能。つまり、グラフィック性能が高ければ高いほど、高速かつ快適に作業を終わらせてくれる。筆者所有のLate 2013では、2、3分ほどの尺で1時間半ぐらいレンダリングに必要になったりと、ヒジョーに時間がかかってしまい、ほかの作業もやりにくくなるため、少しでも改善できるならそれだけでMid 2015は“買い”なのだ。Mid 2015のAMD Radeon R9 M370Xであれば、作業を効率化してくれる可能性が高い。

 Oculus Riftは、人間の視界をほとんど覆う視野角(対角110度)を有しており、かぶると視界の端まで映像で埋め尽くされるのが魅力だ。しかも、ジャイロ・加速度・磁気センサーを内蔵し、頭の向きも検出してくれる(ヘッドトラッキング)。首を左右にふれば周囲を360度見渡せ、空を見上げたり、足下の地面を見下ろしたりできるのだ。ところが、Oculus Riftの最新開発キット(第2世代開発キット、DK2)は、もともと高性能なGPUを備えたデスクトップでの動作が推奨されており、筆者所有のLate 2013では、頭を動かした際に映像の動きが微妙にカクカクしてしまったりして、本来の魅力が味わえない。表示のカクつきは、3Dアクションゲームが苦手な方が経験するような“酔い”の原因にもなるため、できるだけ避けたい。

 オンラインのApple Storeで注文したものが届かず、居ても立っても居られないので、ASCII.jp編集部にお邪魔して、Radeon R9 M370X搭載のMid 2015試用機にOculus Riftをつないで標準のサンプルデータ(Demo Scene)で試してみたところ、かなりなめらかに表示された。これはと思って、次に筆者が作成した360度映像で確認すると、Late 2013よりも結構快適でカクつきが少ない。実は、「CINEBENCH R15」などのベンチマークアプリでは、Mid 2015と全部盛り状態のLate 2013の性能差はほとんどなかったのだが、Oculus Riftの映像ではかなり差が出た。AMD Radeon R9 M370Xで描画が高速化されているというのは確かなようだ。これだけでも、十分買った価値がある。

写真手前側がMid 2015で、奥側がLate 2013。実は、「CINEBENCH R15」などのベンチマークアプリでは、Mid 2015と全部盛り状態のLate 2013の性能差はほとんどなかった

Oculus Riftを接続する用意を開始

Oculus Riftの映像を見ると、全部盛り状態のLate 2013に比べてMid 2015は明らかになめらか

筆者が作成した映像で確認すると、Late 2013よりも結構快適でカクつきがなかった

 スループット最大2GBps、PCIe 3.0(4レーン)ベースのフラッシュストレージもポイントで、高解像度の動画や静止画を扱う機会が多い場合には巨大なデータの読み書きにおいて魅力的なアドバンテージとなるだろう。

 「そこまで突き詰めるなら、デスクトップのほうがいいのでは?」という方がいるはずだが、15インチRetinaは出先にも持ち運んで、即座に確認できるというメリットが大きい。デスクトップのようにスペースを取らないので、ササッとデモしやすい点も見逃せない。長年、使っていて実感するが、MacBook Pro Retinaのアルミボディは完成されていて、傷がつきにくいのも嬉しいところだ。

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