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子どもの写真をプラットホーム化

2014年06月27日 16時00分更新

文● 伊藤達哉(Tatsuya Ito)/アスキークラウド編集部

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Timersの高橋才将CEO

 現在、iPhoneとAndroid合わせて100万本以上のスマホアプリがあると言われており、アプリの存在を知ってもらうだけでも一苦労だ。そんな中、Timersの高橋才将CEOは「スマホ内に思い出のストックが膨大に増えている」ことに着目して、子育て家族をターゲットにしたクローズドSNS「Famm」を開発した。
 Timersはカップル限定のSNS「Pairy」もすでにリリースしており、Fammは同社2本目のクローズドSNSのアプリになる。

 Fammは子ども写真を夫婦間で整理して共有するサービスで、従来のストレージサービスで定番のタグ付けやフォルダー分けといった機能を搭載していない。その代わり、写真をアップロードするだけでファイル名に子どもの名前と生後何カ月かを自動で付けたり、子どもの成長記録を自動で作成する「コラージュ」機能を搭載したりしている。
「ヒアリングをしたところ、子育てをしているお母さんは忙しく、ストレージの設定やファイル名を変えることが面倒くさいと思っているのです」(高橋CEO)。
 利用者の手間を省いて写真のアップロードの速度を追求。Fammのリリースから1カ月ほど経過しているが、ダウンロード数はまだまだ満足いく数字ではないものの、利用者のアクティブ率は高いという。すでに10万枚の写真がクラウド上にアップロードされ、4000枚以上の写真をアップロードしている夫婦もいるとか。

Pairyと似たユーザーインターフェースが特徴のFamm

 無料アプリであるFammはビジネスモデルはまだ構築されていないが、今後アップロードした写真からフォトブックやポストカードなどの制作・販売を視野に入れている。
「家族や恋人の大事なものを保存し、そこから派生したビジネスかを検討しています。思い出にはお金をいとわないので、いかにビジネスに変えられるか追求していきたいです」(高橋CEO).
 Fammにアップロードした写真は、ローカルにダウンロードできる機能を用意していない。子どもの写真をたくさんアップロードすればするほど、やめたくてもやめられないサービスとも言える。Fammは単なるアプリではなく、「大切な思い出」を使ったプラットホームビジネスを狙っているのだ。


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