総務省はこのほど、訪日外国人が世界最高水準のICTを「サクサク」利用できるように、「選べて(Selectable)」「使いやすく(Accessible)」「高品質な(Quality)」ICT利用環境を実現することを目指したアクションプラン「SAQ2サクサク JAPAN Project」を取りまとめ、公表した。
同プランは、2020年に開催予定の東京オリンピック・パラリンピックを見据えたもの。重点的に取り組むべき事項を4つ掲げており、まず1つ目は「無料Wi-Fiの整備促進と利用円滑化」。空港や駅、ホテル、飲食店、観光地などに無料で利用できるようにWi-Fi環境を整備。訪日外国人が必要とする観光情報等のオープンデータ化やクラウド化等を進め、それを無料Wi-Fi等により得られるようにするための環境整備およびアプリ開発を促進する。
2つ目は「国内発行SIMへの差替え等によるスマートフォン・携帯電話利用の円滑化」。訪日外国人がMVNO等の販売するSIMを迅速かつ容易に利用できるように環境を整備する。3つ目は「国際ローミング料金の低廉化」。国際データローミング低廉化に向けた二国間協議を速やかに推進する。
そして4つ目は「『言葉の壁』をなくす『グローバルコミュニケーション計画』の推進」。 多言語音声翻訳システムの翻訳精度の向上と、対応言語数の拡大に向けて研究開発を実施。飲食店の店員や観光案内所の案内係、タクシードライバーをはじめ、多くの人が街中で翻訳システムを手軽に利用できるようにする。
矢野経済研究所の調査によると、訪日外国人が滞在中に使用した端末としてスマホが81.5%にのぼり、来日中に利用したい(利用したかった)通信手段として、国際ローミング(49.7%)と無料Wi-FI(48.2%)がともに4割超、日本でプリペイドSIMを入手(33.5%)も3割以上を占めた。
このように国が積極的に旗を振っているように、訪日外国人向けICT関連ビジネスが今後、大いに成長が見込める。