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ドコモで始まるVoLTEってなに? それってメリットあるの?

2014年05月16日 14時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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 14日に発表されたドコモの夏スマホから対応し、6月下旬にスタートする「VoLTE」。しかし、実際にどういうもので、どういうメリットがあるのかは少々わかりにくい。そこで本記事では基本事項をQ&A形式で解説する。

ドコモの夏モデル発表会で、大きくアピールされた「VoLTE」

Q1 VoLTEって何?

A1 LTEのデータ通信で音声通話を行なう技術

 VoLTEは「Voice over LTE」の略(モバイル業界では「ボルテ」と読むのが一般的)。もともとはデータ通信用に開発されたLTEネットワーク上で音声通話を可能にする技術だ。

 なお、LTEに対応していて、VoLTEには対応していない、従来のスマートフォンで音声通話を利用する際は、自動的にLTEから3Gに通信を切り替えている。


Q2 VoLTEは、要はSkypeやLINEと同じようなもの?

A2 通話品質が保証されていないSkypeやLINEとは基本的に異なる。

 データ通信で音声通話を実現するという部分では、SkypeやLINEと同じだが、VoLTEでは音声通話用に帯域を保障して、遅延の少ない通話を実現したり、緊急通話(110番や119番)に対応するなど、安定した音声通話に不可欠な機能を実装している点でハッキリ異なる。

 逆にVoLTEで通話をしたからといって、これまでのケータイやスマホで通話したときとの違いを感じる機会は(後述の音質以外では)あまり無いだろう。

AndroidスマホでVoLTEによる通話をしたときのイメージ画像。上に「高音質」と表示されているが、それくらいしか違わない。ただし、従来より高精細なテレビ電話は可能


Q3 では、VoLTEで良くなる点はなに?

A3 音質の改善、通話中にもLTEでのデータ通信が可能

 LTEでは3Gと比べて、周波数をより効率的に利用できるほか、音声圧縮の技術が新世代になることで音質が改善される。ドコモの発表会では、同社のCMキャラクターでもある「リカちゃん」の声で比較が行なわれたが、3Gではどうしても高音部がゴモゴモと篭もった感じになったのに対し、VoLTEでは自然に聞くことができた。

利用できる音声周波数帯域が拡大したことで、リカちゃんのような高い声も自然に聞こえるというデモが発表会で行なわれた

 また前述したとおり、これまで音声通話時は自動的に通信が3Gに切り替わったのだが、VoLTEではLTEのまま。つまり音声通話中に同時にデータ通信をするときも、LTEによる高速なネット接続が可能であることを意味している。

従来も通話中にデータ通信が可能だったが、3Gになったうえに384kbpsという上限があった。しかし、VoLTEでは高速なLTEでの通信が可能。また発着信も早くなるとのこと


Q4 料金はどうなるの? 安くなるの?

A4 ドコモの場合は基本的に変化無し

 ドコモのVoLTEの場合は、通話料はこれまでと同じ。追加オプションなども必要ないが、逆にVoLTE端末向けの割引も無い。6月にスタートする、固定/他社携帯を含めて国内通話が24時間定額となる「カケホーダイ」もVoLTEと関係なく、同じように適用可能。


Q5 ドコモ以外のキャリアはVoLTEを導入しないの?

A5 auは導入予定。他社もいずれは導入するのでは

 3GからLTEへの移行を急速に進めているauは、すでにVoLTEの導入を表明しているが、ソフトバンクは現時点で具体的になにか公表しているわけではない。

 ただし各社とも、LTEスマートフォンの増加に合わせて、手持ちの周波数を3GからLTEへと移行を進めており、LTE上で音声通話を提供でき、効率的に周波数を活用できるVoLTEを、将来的にも導入しない理由は逆に考えにくい。


(次ページでは、「結局ユーザーにメリットがあるのか?」など)

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