一気に進む「Lightning化」の波
Retinaディスプレイを搭載した第3世代iPadの発売から半年。まさか、今回のイベントで第4世代iPadにあたる「iPad Retinaディスプレイモデル」が発表されようとは。SoCには、「Apple A5X」と比較して2倍のCPU性能と2倍の描画性能を実現した「A6X」が採用されるなど、大幅なスペック増強が図られているが、これほど機種更新のサイクルが短いと怨嗟の声が聞こえてきてもおかしくない。
そして、事前に漏れ聞こえてきた“噂”がほぼそのまま現れた「iPad mini」。第3世代iPadに比べ約23%薄く(7.2mm)、53%軽く(308g、Wi-Fiモデル)なったことも、第3世代iPadユーザーにとっては気になるところ。
何より気になるのは、iPhone 5で初採用された新コネクター「Lightning」の普及スピードだろう。立て続けに新製品を出してまで普及を急いだことは、iOSデバイスとMacをつなぐデータ転送用ケーブルとして、あるいは(認証を受けた)サードパーティー製品とつなぐインターフェースとして、Appleがはっきりと方向性を示す形となった。
アクセサリー類も、ひととおりのラインナップが完了。映像出力用では、プロジェクターなどVGA端子を備えた表示装置に出力する「Lightning - VGAアダプタ」、最大1080pのHD画質でHDMI対応のテレビへ出力できる「Lightning Digital AVアダプタ」が用意された。カメラ関連では、「Lightning - USBカメラアダプタ」、「Lightning - SDカードカメラリーダー」もある。
残る課題は、「Made for iPhone」や「Made for iPad」といった「MFiプログラム」の適切な運用だろう。iPhone 5の発表直後、本邦オーディオ機器メーカー数社の開発担当者と話す機会があったのだが、皆「iPhone 5の発表時に初めてLightningのコネクタを見た」と口にしていた。せっかくMFiプログラムがあるのだから、これをうまく運用したほうがユーザーの利益になると思うのだが……。
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