3.同じRatinaでも異なる液晶ディスプレー
液晶ディスプレーでは、iPhoneのほうに軍配が上がる。
同じ高精細な「Ratinaディスプレイ」を採用しているものの、iPod touchのほうが視野角が狭く、左右の斜めからのぞき込んだ場合に黄色がかってしまう。アップルによれば、iPod touchが採用する液晶パネルの方式は非公開。一方、iPhone 4では、視野角の広い「IPS」方式とウェブページで大々的にうたっている。
さらに、指紋もiPhoneのほうが目立ちにくい印象だ。こちらもiPhoneのスペックには耐指紋性撥油コーティングが両面に施されていることが明記されている。実際、しばらく触っていると、iPod touchのほうが画面も背面も汚れが目立つ。
とはいえ、第3世代のiPod touchやiPone 3GSと比べると、第4世代のiPod touchの液晶ディスプレーは大きく進化している。同じ3.5インチディスプレーでも、第3世代iPod touch/iPhone 3GSは480×320ドット、第4世代iPod touch/iPhone 4は960×640ドットとドット数にして4倍の開きがある。
旧機種ではウェブページを全体表示すると文字がつぶれてしまっていた。それが新機種では極小な文字でも顔を近づければなんとか読めるようになっている。Ratinaディスプレイかどうかで「超えられない壁」があると感じた。
4.ベンチマークは互角
速度的には、同じA4チップを搭載していることもあって、互角という結果になった。ベンチマークテストでは、CPUやメモリーなどの性能を測る「BenchTest」と、3Dグラフィックをテストする「3D Benchmark」の2つを実行。加えてアプリの起動時間を計ってみたが、iPod touchとiPhoneの結果はほとんど変わらなかった。
もっといえば、体感速度に関しては第3世代iPod touchやiPhone 3GSとそう大きく変わりない。iPod touchでは第2世代から第3世代に、iPhoneでは3Gから3GSに変わったタイミングで飛躍的にCPUが進化し、iOSの基本的な動作やアプリの起動時間が目に見えてわかるくらいに速くなった(比較動画)。その世代の差に比べれば、今回は「小さく一歩前進」といった印象だ。
アプリの起動時間を比較
※ベンチマークテストは、いずれも3回計測した平均値