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第4世代iPod touch VS iPhone 4 ハードを徹底比較!

2010年10月06日 12時00分更新

文● 広田稔

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5.iPhoneに完敗なカメラ機能

 静止画撮影については、残念ながらiPhoneのほうが優秀だ。

 まずiPod touchは写真の解像度が960×720ドット(約69万画素)と、iPhone 4の2592×1936ドット(約500万画素)に比べると7倍以上の差がある。実際、iPod touchで撮った画像をパソコンの高解像度なディスプレーで開いてみると、インターネットで拾ってきた画像のようにサイズが小さい。

 加えて、画面タッチによるピント合わせも利用できない。iPhone 4では画面の一部をタッチすると、ピントと露出(シャッター速度や絞りといった設定)の両方を自動で設定してくれるが、iPod touchでは露出のみだ。

 そのほかiPod touchはLEDフラッシュがなかったり、「HDR」(ハイダイナミックレンジ合成、後述)機能を備えていなかったりと、結構な差を付けられている。撮影サンプルとともに順に見ていこう。

左より、iPod touch、iPhone 4のノーマルモード、iPhone 4のHDRモード(以下同)。このシーサーはピントが合ってくれて、iPod touchでもよく撮れたほう

食べ物のプレートでは、iPod touchのほうが微妙にピントが合ってない。加えて今どきのパソコンのディスプレーでは等倍表示できてしまうサイズなので、JPEG圧縮の粗が目立つ

同様にソーキソバでも、iPod touchのほうがざらつきが目立つ。iPhoneの画像もかなり拡大すれば同様に圧縮の粗が確認できるものの、普通にパソコンで見る分には縮小表示されるので気にならない

画角

 何度か撮り比べてみたが、iPhone 4とiPod touchでは、iPhone 4のほうが若干広角のようだ。筆者のおおよその感覚だと、35mm判換算でiPod touchが50mmくらい、iPhoneが35mmくらい。同じ範囲をフレームに収めようとすると、iPod touchでは一歩引かないと入らない。

同じ場所に立って、iPhone/iPod touchで撮り比べたカット。なお両機種とも画角は固定されているが、デジタルズームを使って一部を切り出せる

マクロ撮影

 iPod touchはマクロ撮影にも弱い。iPhoneでは被写体から10cmほどに近づけても画面をタッチすればピントを合わせてくれるが、iPod touchではなす術がない。

iPhone 4では、画面をタッチすると四角が現れてピントと露出を合わせてくれる。iPod touchでは露出のみ

iPhoneではハイビスカスのめしべ(黄色い部分)にピントを合わせてみた

暗所での撮影

 暗所でのノイズは、画像サイズが小さいこともあってiPod touchのほうが大きく感じられた。iPod touch/iPhoneともに、暗い場所では自動でシャッター速度を落とし、ISO感度を上げる仕様だ。手元のサンプルでは、最低シャッター速度がともに15分の1秒、ISO感度がiPod touchでは80~1250、iPhoneでは80~1000だった。

 ごく簡単に説明すれば、ISO感度を上げるとわずかな光の中でも撮影できるようになるが、それに伴って画像のざらつきも増す。

日没後、約20分経過し、周囲が肉眼でうっすらと見えるぐらいの中で、柵の上に端末を置いて撮影した画像。いずれもシャッター速度が最低/ISO感度が最高に自動設定されているが、暗過ぎてかなり限界な感じ

参考のため、同じシチュエーションをデジタル一眼レフ(EOS 7D+EF-S17-55mm F2.8 IS USM、ISO 1600)にて撮ったところ。こちらは海面まできちんと写っている

ランプの光にてパスタを撮った画像。これぐらいの明かりならちゃんと撮れるが、やはりiPod touchのほうがぼやけてノイズ感が強い

HDR撮影

 iPod touchに併せてリリースされたiOS 4.1の新機能「HDR」も、iPhone 4のみの対応となっている。

 HDRを簡単に説明すれば、露出(明るさ)の異なる写真をいくつか撮って合成し、「白飛び」や「黒潰れ」を抑えるというものだ。カメラのセンサーには、記録できる明るさの範囲がある。そのため、1つのフレーム内に明るすぎる部分と暗すぎる部分が存在すると、どちらかに明るさの基準を合わせるしかない。ただ、明暗の差が大きすぎると、明るさの調整がうまくいかないこともある。

 例えば下のサンプルは、iPod touchを使い、日差したっぷりな青空をバックに色の濃いクジラ像を撮ったものだ。このシチュエーションにおいて、クジラの部分にタッチして明るさを合わせると、像の色はよくわかるが、空が白飛びしてしまって左下にある雲が見えなくなってしまう。一方、青空をタッチして明るさを調整すると、雲はきちんと写るが、クジラ像が黒潰れしてしまって細部がわからない。

iPod touchでの撮影サンプル。左がクジラ像に、右が空に明るさを合わせたものだが、どちらもうまく調整できてない

 そこでHDRの出番だ。iPhone 4では、1回のシャッターで明るめ/通常/暗めという3枚を撮影し、それを合成することで白飛びも黒潰れもない画像を作り出せる。このHDRは、iPod touchでは利用できず、「HDRFree」などの画像加工で擬似的に再現するしかない。

iPhoneでの撮影サンプル。左がノーマル画像で、右がHDR画像。右の画像ではクジラ像の色も空の雲も確認できる

「HDR for Free」。撮影済みの画像を指定し、フィルターの適用レベルを8種類から選ぶと、黒潰れした部分を明るくしてくれる。白飛びした部分は回復できない

 ちなみに、上に並べてきたサンプルを見てもらってもわかるように、HDRを利用すれば、必ずしもベストな画像を撮れるというわけではない。合成した結果、明るさの変化が少なくなり、のっぺりした印象に陥る場合も多い。iPhone 4の「設定」アプリでは、通常とHDRの両方を撮影するように設定しておけるため、2枚撮っていい結果のほうだけ残しておくといい。

機能は劣ってるがダメなわけではない

 以上を見てくると、どうしてもiPhoneのほうが優秀と判断せざるを得ないが、iPod touchがまったくダメなわけではない。

 iPod touch/iPhoneのカメラを使うシチュエーションの多くは、シビアに画質を求めないスナップ撮影のはず。突然出くわしたきれいな風景や飲み会のワンシーンなど、とにかく写真に収めておいて、あとで誰かに見せたいという目的で使うわけだ。そんなときには持ち運びやすいiPod touchのほうが向いているかもしれない。家族との旅行や友人の結婚式など、永久保存したり、プリントアウトする写真はデジカメで撮ればいい。

 画素数が少なくてHDRなどの後処理が必要ない分、シャッターを切ったあと保存にかかる時間もごく短い。そのため、画面をタップして連写もできる。スポーツなどでは、連続で撮ってもシャッターチャンスに間に合うだろう(といっても連写用のアプリを買えば済む話だが……)。

 写真1枚のファイルサイズもiPod touchが150~250KBなのに対して、iPhoneは1.5~2.5MBほど。ブログにアップするなら最初から再圧縮が必要ないiPod touchで撮ってもいいだろう。

 さらにフォローするなら、画素数が少なくても、解像度の近いiPod touchの画面で見れば、パソコンほどに気にならない。日常をどんどん撮りためていって、Twitterやブログに投稿したり、誰かと会ったときに写真を見せて話のタネにするというケータイカメラのような使い方なら、まさにぴったりといえる。

iPod touchの液晶ディスプレーは960×640ドットで、撮影した写真は960×720ドット。ほぼ等倍なのでパソコンの画面で見るほどアラが目立たない

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