※この記事は「古籏一浩のJavaScriptラボ」の第22回です。過去の記事も合わせてご覧ください。
画像管理だけじゃない、「Adobe Bridge」の隠れた魅力
「Adobe Bridge」(以降、Bridge)は、Adobe Creative Suiteに同梱されている画像管理ソフトです。もともとPhotoshop CSに搭載されていた画像管理機能が、Photoshop CS2から分離独立してBridgeとなりました。Adobe Creative Suite 3では「Bridge CS3」、Adobe Creative Suite 4では「Bridge CS4」が同梱されています。
「Bridgeって単なるビューアーソフトでしょ?」と思っている人は多いでしょう。というよりもビューアーやファイラーとしての機能しか知らない人がほとんだと思います。Bridgeは表面的には画像管理ソフトですが、実は強力なJavaScriptを搭載しており、Webや他のソフトと連携してさまざまな処理を自動化するソフトという面もあります。
たとえばWebサーバーからデータを取得したり、FTPサーバーにデータを転送したり、ピクセル単位での画像処理やアドビ製アプリケーションとの連携ができます。XMLデータ処理やソケット通信も標準装備です。おまけにピクセル単位での画像処理は、本連載の第3回で紹介したPhotoshopのJavaScriptよりも格段に高速です。つまりBridgeのJavaScriptを使えば、サーバーからダウンロードしたXMLデータをもとに画像を生成したり、逆に生成した画像をFTPでアップロードしたり、といった作業を自動化できるのです。
本連載では、今回から6回にわたってAdobe BridgeのJavaScriptについて解説します。以下のようなラインナップで進めていきますが、ほかにもBridgeには多くの機能があります。すべては説明できませんが、この機会にBridgeの隠れた機能を知ってもらえば、と思います。
■連載ラインナップ
- 第1回 Webサーバーのデータを取得
- 第2回 RSS(XML)の処理
- 第3回 BridgeからPhotoshopのJavaScriptを実行
- 第4回 Photoshopで作成した画像をFTP転送
- 第5回 Bridgeで画像フィルタを作成
- 第6回 GUI (グラフィカルユーザーインターフェース)の処理
※本シリーズで紹介するサンプルは、Bridge CS3/CS4でのみ動作します。これより前のバージョンでは動作しません。また、スクリプトの制作環境はAdobe Creative Suiteに付属する「ESTK (Extend Script Toolkit) 」を使用しています。詳しくは本連載の第3回を参考にしてください。