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【Macromedia MAX 2005レポート Vol.3】いきなりAdobeとコラボレーション!? Macromediaが見据える3つの柱=“ビデオ”“コミュニケーション”“モバイル”――2日目“General Session”より

2005年10月19日 23時40分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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イタリア系の陽気なノリで始まった2日目のGeneral Session
イタリア系の陽気なノリで始まった2日目のGeneral Session

初日のジー・フランク(Ze Frank)氏に負けず劣らず、2日目の演出はさらにノリに乗っていた。日本でも今月発売されたばかりのFlashコンテンツ開発ツール群『Macromedia Studio 8』に含まれる各製品の開発スタッフが自ら、ウェブコンテンツの魅力不足に悩む“相談者”といかにも怪しげな“カウンセラー”に扮する芝居仕立てで話は進んだ。2日目のテーマは、米Macromedia(マクロメディア)社がこれから特に注力していくという3つの分野、“ビデオ”“コミュニケーション”“モバイル”を軸に、自社製品だけでなく、開発者のヒントになりそうな他社製品を含めたプレゼンテーションを繰り広げた。



なぜかStudio 8の巨大パッケージに告白!? それに答えるStudio 8もStudio 8なわけだが
なぜかStudio 8の巨大パッケージに告白!? する内気な青年(これも開発スタッフのひとり)それに答えるStudio 8もStudio 8なわけだが

『Adobe AfterEffects』を使って
Flash Videoを派手に演出

最初のビデオ編では、ブロードバンドインターネットアクセスが米国においても普及し始めていること(一説には普及率が60%を超えたという)、企業からのリッチメディア広告やウェブ経由のビデオプロモーションが普及し、従来の静的なウェブページからの世代交代が始まっていることなどをトレンドとして紹介し、「今こそ“Flash Video”を使おう!」とアピールした。Flash Player 8で新たに搭載した高精細なOn2コーデック、動画にも機能するグラフィックエフェクト、動画の重ね合わせ(αチャネルによる透過表現)などのビデオ関連のトピックスを説明し、Flash Videoを配信するサーバー製品としては、従来の『Flash Communication Server』から名称変更して機能強化を果たした『Flash Media Server 2』(日本では今月2日に発表済み)をアピールした。

Adobe After Effectsを使って、カラーキーによる合成を行なう さらに、女性の動きを追いかけるようにパーティクルを付ける
Adobe After Effectsを使って、カラーキーによる合成を行なうさらに、女性の動きを追いかけるようにパーティクル(花火のような効果)を付ける。ちなみに、この女性も開発スタッフのひとり

その後、Studio 8にも含まれるウェブページ作成ソフト『Dreamweaver 8』でFlash Videoを使ったページの作成デモなどを見せたあと、米Adobe Systems(アドビ システムズ)社の動画編集ソフト『Adobe After Effects(アドビ アフターエフェクト)』を使ってFlash Videoに派手な演出を加える手順を示し、クリエイターたちから絶賛を浴びていた。このデモを行なったのはAdobeのスティーブ・キリスキー(Steve Kilisky)氏とMacromediaのマイク・ダウニー(Mike Downey)氏という、いずれもAdobeの製品担当者。前日のCEOのブルース・チゼン(Bruce Chizen)氏が登場した際の“妙に静かな雰囲気”とは打って変わって、クリエイター同士で波長が合ったような盛り上がりを見せた。

デモを行なったスティーブ・キリスキー氏 Macromediaのマイク・ダウニー氏
デモを行なったAdobeのスティーブ・キリスキー氏共同でデモを行なったMacromediaのマイク・ダウニー氏
“結婚前”の共同作業となったAfter EffectsによるFlash Video作成のデモ
Brightcoveの代表取締役社長のジェレミー・アレイ氏
中央に座っている男性が、Brightcoveの代表取締役社長のジェレミー・アレイ氏

さらに米Brightcove社が現在開発中(α版)というビデオ配信ソリューションのデモも行なわれた。Macromediaの副社長兼テクノロジーアドバイザーの田中章雄氏の補足説明によると、Brightcoveは、Macromedia出身のジェレミー・アレイ(Jeremy Allaire)氏がベンチャーキャピタル会社に勤めていた際に見出した技術力のある企業で、ビデオ配信がつなぐ“ウェブと一般消費者の関係”が、今後さらに強まると予測して外から(資金面)だけでなく中から(同社に入社して)助力することにしたのだという。具体的にはFlexとFlash Videoを組み合わせてインターネット経由でビデオ配信を行なう環境を、より簡単に実現するというもの。特に複数のビデオをまとめて管理、配信する手順がウィザード形式で手軽に設定できるため、配信先(視聴者)により効果的な映像をまとめて送ることで、広告システムによる収益構造を目指しやすいという。ユーザー側はウェブブラウザー+Flash Playerで埋め込まれた映像を閲覧できる。また、ストリーミングではなくダウンロードでの閲覧となるが、Windows Mediaの配信も可能。現在はパソコンユーザーが主なターゲットだが、将来はFlash Videoを再生できるさまざまなデバイス(携帯電話やモバイル機器、STBなど)への展開も可能としている。



Brightcoveの動画配信ソリューションのコンソール画面 実際に配信設定を行なったサイトをウェブブラウザーで確認
Brightcoveの動画配信ソリューションのコンソール画面実際に配信設定を行なったサイトをウェブブラウザーで確認。趣味や傾向の合う複数のFlash Videoを束ねて配信することで、ユーザーのプロファイルに合わせた広告展開など、商業ベースの運用が行なえると説明する

そもそもMacromediaは、Flash Player 6からビデオ再生機能を取り入れたが、当初はビデオ会議システムなどに用いることだけを想定し、画質よりも低負荷であることを重視していた。しかし、クリエイターから「より高画質なビデオを自分の作品で効果的に使いたい」、という声が増えてきたため、Flash Player 8ではそれまでの米Sorenson Communications(ソレンソン)製コーデックから、より高画質なOn2コーデックに変更したという経緯がある。加えて前述のような理由から、インターネット経由でのビデオ配信の需要は今後も企業(情報配信元)/クリエイター/エンドユーザーともに高まると見られる。



“Breeze”のコミュニケーション機能を拡張する“SyncSWF”とは?

Breezeを紹介するトム・ヘイル(Tom Hale)氏
Breezeの“新たな可能性”を紹介するトム・ヘイル(Tom Hale)氏

続いてのテーマは“コミュニケーション”。これは同社の『Breeze』を中心としたデモとなった。Breezeはもともと社員教育や知的生産性の向上に向けて、オンデマンド/リアルタイムの双方で蓄積したノウハウなどの教育・支援情報をFlash Player搭載のクライアントで表示(リアルタイム会議に参加)できるというもの。ただ、Breeze自体にはクリエイターが独自性を加える余地はないのでは? と思われていた。そこで、今回新たに機能拡張“SyncSWF(シンクスウィフ)”を追加した。これはインターネット経由で2者のFlashコンテンツの動作を同期させる新APIで、従来は画面共有で行なっていたが、両者が同じFlashコンテンツをダウンロードしてそれぞれのクライアントパソコンでFlashコンテンツを再生しながらSyncSWF APIで動きを制御するため、インターネット回線による遅延を気にすることなく、快適な速度で情報共有が図れるという。会場では単語カードを並べ替えて文章を作る、というゲーム仕立ての教育向けFlashコンテンツを、2台のパソコンで同期させながら2人で操作していた。この機能拡張はBreeze Developer向けサイトでβ版を配布中。

SyncSWFを使った単語並べ替えゲームの様子
SyncSWFを使った単語並べ替えゲームの様子。なにやらジョークを含む文章を仕上げたようだが、あいにく私は笑えなかった
掲載当初、当記事本文中に(株)ベネッセコーポレーションのサービスについての記述がありましたが、ベネッセコーポレーションおよびマクロメディアよりデモ内容を訂正する連絡があり、当該個所を編集しました。(2005年11月10日)


Flash対応携帯電話にノキアとサムスンが参入
開発者向けのFlash Lite 2.0は来年1月に登場!!

ノキアのFlash対応端末 サムスン電子もFlash対応端末を開発している
ノキアのFlash対応端末サムスン電子もFlash対応端末を開発している

最後に、社内ではMAD部隊と呼ばれるモバイル&デバイス担当のアル・ラマダン(Al Ramadan)氏が、パソコン以外のデバイスに向けたFlashプラットフォームの展開を報告した。初日のGeneral Sessionでは、CSAのケビン・リンチ(Kevin Lynch)氏が手にして見せたが、新たに米イーストマン・コダック(Eastman Kodak)社のデジタルカメラのユーザーインターフェースとしてFlashが採用され、まもなく出荷されることを報告。さらに、携帯電話についても日本のエヌ・ティ・ティ・ドコモ(株)(NTTドコモ)が、Flash Liteの採用と同様に、世界に先駆けてFlashCast技術を使った“iチャンネル”サービスを開始していることを紹介し、さらにFlash対応携帯電話をフィンランドのノキア(Nokia)社、韓国のサムスン(Samsung)社も開発していることを明らかにした。両社は携帯電話端末の製造メーカーとして世界有数の企業であり、両社の参加が携帯電話におけるFlashコンテンツの利用者をいっそう増大させると述べ、クリエイターたちを大いに刺激した。

BrewもFlashコンテンツの配信(および対応端末へのFlash Liteのダウンロード)を開始する
米国ではQualcommが“Brew”ブランドで商用を含むコンテンツ配信事業を行なっているという。そのBrewもFlashコンテンツの配信(および対応端末へのFlash Liteのダウンロード)を開始するという

さらに、日本ではアプリケーション開発・実行環境として知られる米クアルコム(Qualcomm)社の“Brew(ブルー)”は、米国ではコンテンツ配信プラットフォーム(いわゆる“ポータル”)の役割も兼ねている(日本の場合、コンテンツ配信はキャリアーであるKDDI(株)が主に行なっている)。そのBrewがFlashコンテンツの配信に対応し、Flashコミュニティーの有志によって、米国の街角に置かれた“トラフィックカメラ”(交通渋滞の状況を確認するためのカメラ)の映像を携帯電話で確認するというFlashプラットフォームを使ったサービスが紹介された(ただし、会場では回線状況が悪いためか実際の映像を見せるには至らなかったが)。

このように日本を最前線として世界に広がりを見せる携帯電話のFlash環境に、大きな変化をもたらすのが昨日もレポートした“Flash Lite 2.0”の登場だろう。Flash Lite 2.0自体は携帯電話に搭載されて登場するため、具体的な時期はMacromediaからは明らかにされていないが、クリエイター向けの開発環境については、「来年1月に、Macromedia Labs.で提供される」ことが明らかになった。これにはFlash 8 Professionalで開発するための追加ツール/ヘルプ/リファレンスのほか、動作検証のためのエミュレーター機能が含まれる。

Flash Liteを使う3つのメリット  Macromediaが携帯電話向けに提供するツール/プラットフォーム技術
Flash Liteを使う3つのメリット。ウェブブラウザーでFlashコンテンツの再生視聴が行なえる、ユーザーインターフェースのプラットフォームとしても利用できる、さらにデータやコンテンツを再利用して豊かなユーザー体験を実現できる、という3つを挙げているMacromediaが携帯電話向けに提供するツール/プラットフォーム技術。この中で“FLIP”の名前が目新しい

そのほか、Flash Liteを携帯電話のユーザーインターフェースとして利用するための“FLIP”という技術も紹介された。これはユーザーインターフェースのフレームワーク/コンポーネント/APIなどをライブラリーとして提供するもので、FlashCastと同様にページを左右に切り替える感覚で、着信履歴やメール/ショートメッセージの確認などが行なえる。日本では携帯電話の端末メーカーがそれぞれ独自にメニューを開発・改良しているが、統一したユーザーインターフェースを提供したいキャリアーなどでの採用を見込んでいるという。

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