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ボーダフォン、海外でも利用できるGPSナビゲーションサービスと対応携帯電話機『Vodafone 903T』を発表――音楽再生に特化した『Vodafone 803T』も登場

2005年09月08日 00時05分更新

文● 島 徹

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ボーダフォン(株)は7日、国内/海外でGPSを使ったナビゲーションサービス“Vodafone live! NAVI(ボーダフォン ライブ ナビ)”と、それに対応する第3世代携帯電話サービスの端末『Vodafone 903T』の開発を発表した。また同時に、パソコンから曲を録音し携帯電話で楽しめる第3世代携帯電話サービス対応の端末『Vodafone 803T』の開発も発表した。両機種とも通信方式としてW-CDMAだけでなくGSM(900/1800/1900MHz)に対応しており、海外でも利用可能だ。開発はともに(株)東芝。発売はVodafone 903Tが10月上旬以降、Vodafone 803Tが10月中旬以降の予定で、価格はいずれもオープンプライス。編集部による予想実売価格は、903Tが2万円台、803Tが1万円台半ば。

Vodafone 803T。左からピアノホワイト、サックスブルー、スィングレッド
Vodafone 903T。左から“ブレイズオレンジ”“ディープシーブルー”“ヘイズホワイト”Vodafone 803T。左から“ピアノホワイト”“サックスブルー”“スィングレッド”


海外でも使えるVodafone live! NAVI

Vodafone live! NAVIは、(1)地図情報の表示と目的地までの最適なルート検索、(2)現在地の確認や周辺情報の検索、(3)現在地/目的地を相手にメールで知らせる“位置情報コミュニケーション”ができるサービス。国内のほか、海外ローミング先のイギリス/オランダ/スペイン/ドイツ/香港でも利用できるのが特徴だ。対応する国と地域は今後も拡大する予定で、それ以外でも、測位成功率/測位時間の早さ/利用できるサービスに制限があるものの、GPS機能は利用可能となっている。

Vodafone live! NAVIは、同社が“ネットワークアシスト型GPS”と呼ぶバックエンドシステムを採用している。これは、測位にGPS衛星による情報とともに基地局情報を利用した“アシストデータ”を用いる方式で、GPS衛星単独でのナビゲーションサービスと比べて測位時間が短く、測位エリアが広いという。

海外でも使える
海外でも使える

Vodafone live! NAVIの開始と同時に提供されるコンテンツは、(株)ナビタイムジャパンのナビゲーションサービス“NAVITIME”、(株)ゼンリンデータコムのナビゲーションサービス“ゼンリンいつもナビ”、日本エンタープライズ(株)のトラベル情報サービス“地球の歩き方”など12。NAVITIMEは、国内でのルート検索以外に、前出の5つの国と地域にフランス/イタリア/アメリカ(ハワイを含む)を加えた8つの国と地域でも詳細な地図表示やルート検索、レストランやホテルなどの周辺検索が行なえる。ゼンリンいつもナビは、距離の短いルートの検索だけでなく、“階段の少ないルート”“屋根の多いルート”といったその日の天気や気分に合わせたルートガイドが可能。日本全国の道路地図と約1400の主要都市市街地図に加え、ハワイの詳細地図や全世界の概略地図を利用できる。

ゼンリンいつもナビゼンリンいつもナビの、ハワイ・オアフ島での利用イメージ


GPSナビゲーションサービス対応のVodafone 903T

Vodafone 903Tは、ボーダフォンの新サービスVodafone live! NAVIに対応し、日本や海外でGPSによる携帯電話の位置情報測位が可能な携帯電話機。プロダクト企画部の森 一幸氏によれば、メインターゲットは「アウトドア派の20台男性で海外やビジネスシーンでも使える」という。携帯電話本体を開いた状態からディスプレー部分を180度時計回りに回転できる2軸回転機構“ビュースタイル”を採用し、デジタルカメラ風に端末を構えての撮影や、位置情報を利用したナビゲーションサービスなどを2.4インチの液晶パネル(240×320ドット/26万2144色表示)で利用できる。

Vodafone 903T Vodafone 903T
左から“ブレイズオレンジ”“ディープシーブルー”“ヘイズホワイト”
Vodafone 903TボーダフォンはGPS対応の携帯電話機を「ここ1~2年で、(全体の発売台数の中で)かなり比率はあげていくつもり」(森氏)という

プリインストールアプリとして、Vodafone live! NAVI対応に対応するゼンリンいつもナビを搭載。目的に合わせたルート案内が可能な、地図と音声案内による徒歩ナビゲーション機能や、実際のパノラマ写真も表示される地下鉄の出口案内、VICSによるリアルタイム渋滞情報を反映した自動車でのドライブナビゲーションを利用可能だ。これらは初回の利用から15日間は情報料無料で利用できる(渋滞情報“VICS”を反映したナビゲーションサービスは有料)。

カメラはオートフォーカス機能に対応した有効画素数192万画素のMOSカメラを採用する。最大でUXGA(1600×1200ドット)サイズの静止画を撮影できるほか、QVGA(240×320)サイズで毎秒15フレームの動画撮影にも対応する。小型記録メディアはSDメモリーカードに対応しており、標準で64MBのものが付属する。ワイヤレス通信機能として、Bluetooth 1.1や赤外線通信(IrDA)を搭載する。端末のユーザーインターフェースは、従来機種『Vodafone 902T』で好評だった日本向けのユーザーインターフェースを採用する。また、ボーダフォンでも8月17日から開始された楽曲配信サービス着うたフルにも対応。背面のステレオツインスピーカーで再生可能だ。

ディスプレー
メイン:約2.4インチTFT液晶ディスプレー(240×320ドット、26万2144色表示)
最大表示文字数304字(16文字×19行)
サブ:約1.1TFCC液晶ディスプレー(112×112ドット、6万5536色表示)
カメラ
メイン:有効192万画素CMOSセンサー
サブ:有効31万画素CMOSセンサー
外部メモリー
SDメモリーカード(64MB同梱)
連続通話時間
W-CDMA網:約180分
GSM網:約320分
連続待受時間
W-CDMA網:約400時間
GSM網:約270時間
(折りたたみ時)
本体サイズ/重さ
幅50×奥行き25×高さ111mm(折りたたみ時)/約149g(折りたたみ時)
本体カラー
ブレイズオレンジ、ディープシーブルー、ヘイズホワイト
発売時期
10月上旬以降
価格
オープンプライス


音楽再生機能に重点を置いたVodafone 803T

『Vodafone 803T』は音楽再生機能に特化した端末で、液晶画面の背面には、音楽プレーヤーを操作するためのボタン群“ミュージックコンソール”が特徴的。“着うたフル”などダウンロードした音楽コンテンツに加えて、パソコンからminiSDメモリーカードに転送された楽曲を、本体に内蔵されたステレオツインスピーカーや、付属のオーディオリモコン付きステレオイヤホンマイクにて聴取できる。製品のメインターゲットは、森氏によれば、女性より意識したカラーリングであるが「音楽をこよなく愛する方全員」という。

Vodafone 803TT
Vodafone 803T
Vodafone 803T Vodafone 803T
左から“ピアノホワイト”“サックスブルー”“スィングレッド”
Vodafone 803TT本体には、オーディオ機能対応のリモコン付きステレオイヤホンマイク、音楽転送ソフトのBeat Engine、64MBのminiSDメモリーカード、USBケーブル、アナログ変換ケーブルが付属し、パソコンにCDから音楽を取り込むための録音ソフトさえ自前で用意すれば買ってすぐ音楽機能が使えるようになっている

パソコンからVodafone 803Tへ楽曲を転送するには、付属のWindows2000/XP用ソフトウェア『Beat Engine』(東芝製)を利用する。Beat EngineはCDからの楽曲の録音機能は搭載していないので、『Windows Media Player 10』で作成したMP3ファイルや『iTunes』で作成したAACファイルをインポートし、これらをVodafone 802TのminiSDメモリーカードへ転送する。Vodafone 803TはUSB 1.1に対応し、USBケーブルを付属する。なお、転送される楽曲ファイルは、電話番号情報と紐付けされた独自形式のファイルとなる。なお、Vodafone 803Tには64MBのminiSDメモリーカードが付属するほか、市販のminiSDメモリーカードは512MBの容量の物まで対応する。

カメラは有効画素数226万画素のCCDセンサーを採用する。ワイヤレス通信機能として、Bluetooth 1.1や赤外線通信(IrDA)を搭載する。アプリケーションのユーザーインターフェースは、日本向けに開発されたVodafone 902Tのものを踏襲している。文字入力機能は、予測変換対応の東芝製かな漢字変換エンジンMobile Rupoを搭載する。また、同梱のminiSDメモリーカードを挿入することで、電子辞書機能(国語:約4万語、英和:約4万語、和英:約6万語)も利用可能だ。

ディスプレー
メイン:約2.2インチTFT液晶ディスプレー(240×320ドット、26万2144色表示)
最大表示文字数304字(16文字×19行)
サブ:約1.3STN液晶ディスプレー(96×160ドット、モノクロ4階調)
カメラ
有効226万画素CCDセンサー
外部メモリー
miniSDカード(64MB同梱)
連続通話時間
W-CDMA網:約180分
GSM網:約320分
連続待受時間
W-CDMA網:約400時間
GSM網:約270時間
(折りたたみ時)
本体サイズ/重さ
幅47×奥行き26×高さ100mm(折りたたみ時)/約134g
本体カラー
ピアノホワイト、サックスブルー、スィングレッド
発売時期
10月中旬以降
価格
オープンプライス


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