StarSuite6.0は、ワープロや表計算などがセットになったオフィススイートである。米国での製品名は「StarOffice」だが、この名称は日本ではNECがすでに商標を取っているため、「StarSuite」と命名された。店頭売りのリテール版をソースネクストが、ライセンス数150以上のエンタープライズ版をサン・マイクロシステムズが販売する。
1万3800円のオフィススイート
画面1 Wordの文書ファイルを開いたStarSuite Writerの画面(画面上部)。背面にあるWordの画面では、「~果たす」のすぐ次の行に発行年月日が入っているが、Writerの場合は次のページに送られている。 |
StarSuiteの対応OSは、Windows 98/Me/NT/2000/XP、Linux、Solarisと幅広い。また、特徴の1つがMicrosoft Officeとの互換性で、WordとExcel、PowerPointの文書ファイルを読み書きできる。つまり、LinuxやSolarisでもMS Officeの文書を開けるようになるわけだ。また、価格の安さも特徴だ。WordとExcel、PowerPoint、そしてOutlookがセットになったMS Office XP Standardの推定小売価格は5万7800円。これに対してStarSuiteは、リテール版が1万3800円で、エンタープライズ版は7500円/1ライセンスだ。Outolook相当のスケジューラがないのが残念なところだが、Windows用のオフィススイートとしても魅力的な価格である。
Writer(ワープロ)、Calc(表計算)、Impress(プレゼンテーション)、Draw(グラフィック)、Base(データベース)などを搭載。オフィススイートとして必要なツールはほぼ完備といえるだろう。
MS Officeとの互換性
画面2 StarSuite Calcでグラフを作成。この程度であれば、MS Officeとほぼ変わらない方法で操作できる。 |
今回は、リテール版を試用した。その結果分かったことは、StarSuite単体としての機能に問題はないが、MS Officeとの文書互換性は完璧ではないということだ。
機能については、文章中の図や表、テキストボックスの挿入、ルビや罫線などMS Officeとほぼ同等の機能を持っている。MS Office XPで搭載されたナビゲーション機能はないので、MS Office 2000相当と考えてよいだろう。
文書互換性については、試しにWord 2000の文書ファイルを読み込んだところ、表組みもきちんと読み込み、フォントや書式もきちんと再現していた。行間だけは再現性が悪く、オリジナルより詰まってレイアウトされるのが気になったが、この程度なら読むには問題はない。ところが、レイアウトボックスを多用した文書の場合、ボックス内のテキストが欠けてしまう部分があった。例えば、画面1のWriterで表示しているのは、マイクロソフトが公開しているVPNの構築事例のWord文書(http://www.microsoft.com/japan/showcase/bs257_1.asp)であるが、一部のテキストが欠けている。互換性に関しては過度に期待しすぎない方がよいだろう。
StarSuiteには他の製品にない斬新な機能はないが、必要な機能は持った手堅い製品だ。MS Officeとほぼ同様の機能を持つにもかかわらず、値段は4分の1以下である。そのため、オフィススイートは必要だがMS Officeは高すぎて買えない、そんなユーザーにお勧めである。また、企業で使う場合は、社内統一ツールとして全社員にStarSuiteを配布し、外部と文書データのやりとりがある社員には加えてMS Officeも導入する。そうした使い方が現実的といえる。
StarSuite 6.0の主なスペック | |
製品名 | StarSuite 6.0 |
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OS | Windows 98/Me/NT/2000/XP、Linux(Kernel version 2.2.13以降/glibc2 version 2.1.2以降)、Solaris 7/8(SPARC版、Intel版) |
CPU | Pentium以上、SPARC以上 |
HDD | 250MB以上 |