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JAL、国際線にフラットシートを導入――ブロードバンド対応も

2002年07月08日 17時27分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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日本航空(株)は8日、欧米主要路線の機内サービスであるJALエグゼクティブクラス“SEASONS”に、新型シート“シェルフラットシート”を導入すると発表した。

シェルフラットシート
JALが国際線のエグゼクティブクラス“SEASONS”に導入する新型シート“シェルフラットシート”。その名の通り、航空機のシートとしてはめずらしい曲線を多用した貝殻状のカバーデザインが特徴
シェルフラットシートリクライニング
リクライニング時の様子

SEASONSは“JALで過ごすクオリティタイム”をコンセプトとした国際線のビジネスクラス機内サービス。今回、座席に新型のフラットシート“シェルフラットシート”を導入するという。

シェルフラットシートは、座席を貝殻状のカバーで包み込んだような曲線型デザインを採用した新設計のシート。不燃性/軽量等、航空部品に求められる厳しい条件の中で、曲線/曲面を多用したフォルムを実現するため、従来の成型方法(金型に材料を流し込む)ではなく、薄いフォルムを積み上げて成型する“3次元ハニカム成型”技術を採用したという。

機内のシェルフラットシート
“シェルフラットシート”を導入した機内。ゆったりしたシートで座り心地もいい。パソコン操作も楽々。エコノミーしか乗ったことのない桑本には、シートの横幅があり過ぎて「うわあ、こんなに横幅開いてていいの~?」という感じ

シートには4個のモーターとギアシステムを内蔵しており、巡航中は、シートを170度までフラットにリクライニングできる。さらに、リクライニング時に肘掛および座面が自動的に下がる仕組みで、シート幅が59cmにまで拡大するようになっている。座面が下がることでシート全体の位置も低くなるため、通路側のユーザーがリクライニング状態でも、窓側のユーザーはスムーズに通路へ出入りできるという。シート間隔は最大157cm。リクライニング時のシート長は190cm。さらに、マッサージ機能も搭載している。

機内シェルフラットシートリクライニング
リクライニング時もこんなにゆったり。背の高い男性でも足を思いっきり伸ばしたまま寝られる。従来なら邪魔だった肘掛も、このシートではリクライニングと同時に自動で下がるので、シートの横幅はさらに広がる。自慢じゃないけど健康診断で引っかかるくらい細身の桑本は、左右に余裕で寝返り打てちゃいます
シートコントロールボタン
シートをコントロールするためのボタン。リクライニングのほか、マッサージの制御も可能

また、専用ディスプレーとコントローラーを利用して映画/音楽/ゲームを楽しめる機内エンターテインメントシステム『MAGIC』において、モニターを従来の6.4インチから10.4インチに大型化した。また従来は座席収納型であったのに対し、今回のシェルフラットシートでは前の座席のシェル後部にディスプレーを配置することで、目と画面の間隔を確保したという。さらに、今秋よりパソコン用交流電源を各シートに装備するほか、ブロードバンド対応のインターネットサービスも提供する予定という。

個人ディスプレー
10.4インチの個人用ディスプレーは、前の座席のシェル後部に装備されている
パソコン用交流電源
シートの脇には、機内エンターテインメントシステム『MAGIC』専用のコントロールボタンと、パソコン用交流電源を装備する

シェルフラットシートは、25日運航の東京-ロンドン線JL401便より導入を開始し、9月中には東京-ニューヨーク線に導入、以後欧米主要路線に順次拡大し、2003年度末には計16機へ導入するとしている。

また、シェルフラットシート導入便では、“ここちよい眠り”をサポートする新サービスを10月1日に開始する。搭乗前にマッサージサービスを利用できるほか、機内ではパジャマ替わりの“リラクシング・ウェア”の貸し出しサービス、日本エスコフィエ協会監修によるスペシャル機内食(要予約)、睡眠前のハーブティー、シェルフラットシート専用の羽毛枕/大型毛布、モイスチャーマスク/アイスアイマスク、航空機のエンジン音を軽減する“ノイズキャンセリングヘッドフォン”、お茶漬けサービス、目覚めのプレミアムフルーツジュースサービスなどが提供される。

スペシャル機内食
日本エスコフィエ協会監修のスペシャル機内食。日本エスコフィエ協会とは、国内の著名なホテル/レストランのシェフで構成される組織で、JALは同協会とアドバイザリー契約を締結、10月以降は成田発便のほとんどの洋食メニューを同協会の指導/監修で提供するという。そこらのレストランより豪華

羽田空港の整備ハンガー内で行なわれた発表会で、同社代表取締役社長の兼子勲氏は、「6月27日の株主総会で、株式会社日本航空システムの発足と、2004年の事業統合の承認を得た。統合の目的は単なる規模拡大ではなく、お客様にとってのJALの価値をさらに大きくすること。世界第一級の商品/サービスを価値ある価格で提供し、お客様に世界一喜んでいただける航空会社、強い国際競争力を持った会社を目指す。SEASONSの新サービスでは、ここちよい睡眠と、プライベートな空間やサービスを提供する。経営統合後に生まれる新会社が提供する商品の中でも主力となるだろう」と挨拶した。

兼子社長と木村佳乃と選手
前列左から、日本航空代表取締役社長の兼子勲氏、木村佳乃さん。後列左から、森岡隆三選手、戸田和幸選手、三都主アレサンドロ選手、市川大祐選手

また、発表会にはゲストとして女優の木村佳乃さんと、ワールドカップ日本代表で清水エスパルスの森岡隆三選手、戸田和幸選手、三都主アレサンドロ選手、市川大祐選手が登場した。

木村さん、森岡選手、戸田選手、三都主選手、市川選手はそれぞれシェルフラットシートを体験。木村さんは「座りやすくて、高さもちょうどいい。マッサージ機能が付いてるのはうれしいですね。見た目もマッサージチェアみたい」、森岡選手は「寝心地が素晴らしい。僕は飛行機の中でよく映画を観るのですが、これは画面が大きくて観やすい」、戸田選手は「通常のビジネスシートよりフラットに近い形で寝られる。先程座ったとき、うかつにも10分ほどホントに寝てしまいました」、三都主選手「すごいです。ブラジルに行くときもこれならリラックスできる。父も母も喜ぶと思う」、市川選手「こういうシートでなら欧州などに遠征に行きたい」とコメントした。

木村佳乃シート体験
シェルフラットシートを体験する木村さん。「私は女性としては背が高いほう(169cm)なんですけど、このシートは座ったときの高さがちょうどいいですね」
イメチェン戸田選手
ワールドカップで活躍した4選手に、兼子社長が花束を贈呈。ところで戸田選手、その髪型は?「あれは、ワールドカップは一生に一度の舞台なので目立てばいいやと思ってやった髪型だったから。僕の時代は終わったということで卒業しました」
木村佳乃と選手たち
選手たちに囲まれる木村さん。「緊張して目を合わせられません。見かけによらず恥ずかしがり屋なので(笑)。皆さんにお目にかかれて光栄です」

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