エルピーダメモリ(株)は17日、次世代DRAM仕様“DDR-II”でピンあたりのデータレートを1Gbpsにする回路技術を開発したと発表した。
開発した回路を搭載したDDR-II SDRAM |
開発した回路方式は、現在使用されているSDRAM仕様の7.5倍、DDR SDRAM仕様の3.75倍の高速化を図ったもので、1.8Vの単一電源で動作する。プロセス/電圧/温度変動によるデータ出力のタイミングのバラツキを最小に抑えるため、1.6V以下で動作するDDL(Delay Locked Loop)を利用した高精度低消費電力クロック再生回路と、データ出力の出力波形の傾き(スルーレート)を変えずに駆動能力を調整可能な出力バッファー回路の2つ。これにより出力タイミングのバラツキ(スキュー)を10ps以下に抑え、1Gbpsに対応。また、チップ内のデータを高速で読み書きするため、メモリーアレイ内のデータ信号線を階層化し、階層間の転送をタイミングレスにしたほか、メモリーアレイから入出力回路間のデータ転送回路や配線に、高速/通常の2種類を設け、データの転送順序に応じて使い分けるようにしたという。これによりデータ転送サイクル時間を45%短縮し、4nsサイクルでアレイ動作が可能になったとしている。
同社では、512Mbitの容量を持つ“DDR-II SDRAM(次世代DDR)”に搭載して確認したという。これにより次世代ハイエンドサーバーやパソコンで必要なメモリーシステムボード上でのデータ転送レートである533Mbpsを保証するDDR-IIの製品化が可能になるとしており、次々世代の“DDR-III”で要求されている転送レートの見通しも得られたとしている。