家庭用電話機の子機とも携帯電話端末とも、ハンディ型無線機ともとれそうでとれない、ちょっとヘンなデザインが目を引くインターネット電話&ボイスチャット端末「i-HANDZOOM」が登場した。これはサカイという、アキバでは聞き慣れないメーカーによるもの。ブロードバンド接続環境の充実とともにPCパーツショップでもボイスチャットなど用にヘッドセットなどが売れ始めているが、いわゆるヘッドセットとはちょっと違うユニークな製品だ。
i-HANDZOOMは本体サイズが59.3(W)×28(D)×70(H)mmという、耳にあてた時これで本当に音声が拾えるのか不安になるほどど小さい“受話機”。その親機として、パッケージには充電とデータ送受信を行うための「ベースステーション」が同梱されている。ベースステーションとPCはデータ/音声ケーブルで結ばれるが、PCとの接続はなんとシリアル。ブロードバンド時代の製品にしてはなんともアンバランスな仕様である。なお、ベースステーションには同じような端子が3つ並んでいるが、ひとつはACアダプタ用、そして残りのひとつはモジュラーケーブル用で、利用しようと思えば一般電話としても使えるようになっている。
シリアル端子がさんぜんと輝く(?)PC接続ケーブル。ミニジャックはPC側のサウンド入力/出力にそれぞれ接続する必要がある。メスのミニジャックはスピーカ用で、電話やチャットの音声やサウンドカードの出力をスピーカに出力できる |
ベースステーション接続例。PC接続ケーブルも、ACアダプタも、モジュラーケーブルに似たコネクタを採用する独自仕様だ。ちなみに真ん中のケーブルが一般電話用のモジュラーケーブル |
仕様一覧。連続通話時間は4時間、ベースステーションに装着していない時の連続待ち受け時間は16時間となっている。一般電話の子機と考えるとバッテリ面はやや弱い |
同梱品。ネックストラップ、そしてベルトに固定するためのベルトクリップ、さらにi-HANDZOOM本体に接続して利用できるイヤホンマイクが標準で用意され、手ぶらでワイヤレスインターネット電話/ボイスチャットを楽しめるようになっている |
ワイヤレスインターネット電話端末として利用する際にはインターネット電話サービスとの契約が必要。マニュアルには「ただTel」が利用できるとして説明があるほか、「MSN Messenger」の「PC to Phone」に対応する。また、非対応のインターネット電話サービスやボイスチャットサービスでも、i-HANDZOOM本体のボタンは利用できないため“ワイヤレス電話機風”イヤホン&マイクにはなってしまうものの、基本的には利用可能だ。
価格はコムサテライト3号店で1万9800円。ボイスチャットに利用できるヘッドセット単品であれば数百円から購入できるのを考えると高価すぎるほど高価だ。しかし、一般電話とインターネット電話、そしてボイスチャット端末を1台でまかなえる点はなかなか魅力的。新生活を始めるにあたり、据え置き型電話機の購入を検討しているのであれば、選択肢に加えてみるのも悪くないかもしれない。
【取材協力】