都市基盤整備公団は3日、同公団が東京都品川区に建設した賃貸住宅『シティコート目黒』において、仕事をする空間を住宅に併設した公団初の賃貸住宅“SOHO住宅”(施設付き賃貸住宅)をマスコミ向けに公開した。
シティコート目黒の所在地は品川区上大崎二丁目10番34号。JR山手線目黒駅から徒歩2分だ(本当。信号にかからなければ徒歩1分かも)。この広大な土地は、実は国立感染症研究所の跡地。元研究所ということで周囲に緑がたくさんあり、なるべくその緑を残しながらシティコート目黒を建設したという。シティコート目黒正面にある立派な樹木は、国立感染症研究所時代からのものとか |
都市公団は、住宅・都市整備公団から1999年10月1日付けで現在の組織に変更、都心居住にフォーカスした街づくりを推進することとなり、その一環として多様化する都市部のワークスタイルに対応するべくSOHO住宅に着手、今回の公開/募集に至ったという。
SOHO住宅は、プライベートスペース(住宅部分)と、業務や仕事専用のワークスペース(施設部分)で構成された施設付き賃貸住宅。シティコート目黒には、1号棟に76戸、2号棟に129戸、3号棟に87戸、4号棟に192戸、計484戸の賃貸住宅があるが、このうち2号棟5戸、3号棟2戸、4号棟4戸の計11戸がSOHO住宅となっている(それ以外は一般賃貸住宅)。
SOHO住宅は、シティコート目黒の1F中庭を囲む形で各棟の1Fに配置されており、住宅用の入口とは別に、中庭に面してワークスペース専用の入口が設けられている。これにより仕事上の来客は、すべて専用のオートロック玄関を経由し、中庭を通って各SOHO住宅に訪問できるようになっている。
シティコート目黒の中庭。各棟の1F、グレーの部分がSOHO住宅のワークスペース |
SOHO住宅のワークスペース用入口。オフィスっぽくガラス張りとなっている |
ワークスペース内部のイメージ。ワークスペース部分の床仕上げには、オフィスらしくタイルカーペットやソイルセラミックタイル(物件によって異なる)を採用している |
こちらは住宅用の入口。公団住宅っぽい? |
住宅用のリビングダイニング |
また、シティコート目黒の賃貸住宅はすべて、(株)エヌ・ティ・ティ エムイーの“BB-EAST”(※1)によるインターネット回線がすでに整備されているが、それとは別にワークスペース専用のブロードバンド対応インターネット回線を引き込むことも可能となっている(インターネット事業者は自由に選択/契約可能)。
※1 BB-EAST:NTT-MEのマンション向けインターネットサービス“WAKWAKピアル”における、公団新規賃貸住宅向けの常時接続型超高速インターネット接続サービス。NTT東日本の“Bフレッツ”等の光ファイバー回線を利用し、伝送速度100Mbpsの接続サービスを提供する。月額1750円。電話回線も、住宅用に2回線、ワークスペース用に2回線の計4回線を利用できる。電気の契約は標準で30Aだが、最大100Aまで契約することが可能。そのほか、SOHO住宅入居者用には大型の郵便受けが与えられる。
ワークスペースの設備類。左から、移動型暖房放熱機器を接続すると暖房機器用の温水を取り出せる温水コンセント、電気コンセント、電話回線×2、LAN、CATV(ケーブルテレビ品川) |
シティコート目黒の共有施設として、有料の集会所も用意される。この有料集会所は、SOHO住宅の入居者が仕事の打ち合わせスペースとして利用することを想定し、4つの部屋に区切って使用できる。各部屋は1時間数百円程度で予約/使用可能。また、1Fエントランスにはオートロック操作盤とサービスカウンターを設けるという。さらに、夜間等には民間の警備会社による巡回警備が行なわれる。そのほか、1Fに24時間コンビニエンスストア、2Fにファミリーレストラン、3Fに託児所を備えた生活支援施設も用意される。
シティコート目黒の共有施設として、有料の集会所。主にSOHO住宅入居者向けの打ち合わせスペースとして想定されているが、シティコート目黒入居者なら誰でも利用可能 |
SOHO住宅を含むシティコート目黒の入居者募集は、第1次募集(3、4号棟)と第2次募集(1、2号棟)の2回行なわれる。第1次募集は、SOHO住宅6戸と、一般賃貸住宅273戸。SOHO住宅6戸の間取りは、1K+ワークスペース(計72m2)、1LDK+ワークスペース(計72m2)、1K+ワークスペース(63m2)、2LDK+ワークスペース(87m2)、2LDK+ワークスペース(87m2)、1LDK+ワークスペース(60m2)となっている。月額家賃は20万6000円台~26万6000円台(ワークスペース部分の消費税を含む)。なお、一般賃貸住宅の間取りは1K~3LDKで、月額家賃は13万9000円台~32万円台。ちなみに、SOHO住宅と一般賃貸住宅は、間取り(広さ)が同程度なら、家賃はほとんど変わらないらしい。
第1次募集期間は4月13日~30日まで。入居予定時期は6月下旬~7月中旬の見込み。なお、通常の公団賃貸住宅ははがきで申し込むことも可能だが、今回のSOHO住宅に関しては、通常の公団賃貸住宅の入居資格に加えて、ワークスペースで業務を行なうことを条件としており、業務内容を審査する必要があるため、申込は現地(シティコート目黒)でのみ受け付けるという。
都市公団は、ワークスペースにおける業務について、設計やデザイン、執筆等を行なう業務や、弁護士等のオフィス利用、IT環境を必要とする業務などを想定しているという。また、風俗営業、物販業、飲食業、レンタル業、騒音/振動/臭気等の影響を与える業務(例:ピアノ教室など)等は禁止となっている。
なお、希望者多数の場合は抽選となる。どうしても入居したい人は「募集開始早々に来るよりは、遅めに来て競争率の少ない物件に申し込んだほうがいいかもしれません」(公団担当者)とのこと。
第2次募集は、一般賃貸住宅200戸、SOHO住宅5戸で、家賃は未定。募集期間は6月、入居予定時期は8月という。
おまけ:シティコート目黒3号棟6Fの一般賃貸住宅から見た景色。恵比寿ガーデンプレイスがよく見える。SOHO住宅は1F部分にしかないので景色を楽しむ余裕はないが、一般住宅の場合は窓から見える眺めも考慮したいところ。この3号棟は実は窓が北向きなのだが、眺めは最も良いらしく、しかも家賃が安め(北向きで日当たりがイマイチだから)。結構おススメらしい |