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NTT、“高品質ダイヤモンド半導体”の作製技術を開発――通信衛星用デバイスへの応用も

2002年04月02日 23時20分更新

文● 編集部

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日本電信電話(株)は2日、高品質ダイヤモンド半導体薄膜結晶の作製技術を開発したと発表した。ダイヤモンドは、シリコン(Si)に比べ5倍の高温動作、30倍の高電圧に対応可能な次世代の半導体材料として注目されており、半導体デバイスに利用すれば、宇宙でも安定に動作する高出力/高効率の通信衛星用デバイスが実現できるという。

薄膜結晶の結晶欠陥が低減
薄膜結晶の結晶欠陥が数百分の1に低減

今回、NTT物性科学基礎研究所は、ダイヤモンド半導体薄膜結晶では、半導体としての動作速度を決めるキャリアー(電子、正孔)の移動速度が、残留不純物、非ダイヤモンド(グラファイト)成分、結晶欠陥で決まることから、“マイクロ波プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相堆積法)法”を利用し、原料ガスを高純度化、650度から750度の間でダイヤモンドの薄膜結晶を作成したという。これにより、残留不純物、結晶欠陥が従来の数百分の1となり、キャリアー移動速度も、従来の約20倍の1300cm2/Vsとなったとしており、理論的に予測されていたダイヤモンド半導体のすぐれた特徴が実証できたとしている。

作成した高品質ダイヤモンド半導体
作成した高品質ダイヤモンド半導体は、結晶欠陥が2桁以上低減し、不純物を含まないため、肉眼でも鏡面で透明の結晶であることが分かるという
キャリアーの移動速度は20倍
キャリアーの移動速度は20倍に

今後、キャリアー移動速度の高速化とともに、高キャリアー移動速度の特徴を生かした電子デバイスの開発を進めるとしており、高品質薄膜結晶を利用してダイヤモンド固有の物性についても研究を進めるとしている。

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