最先端の技術やアイデアを持つITベンチャー企業に発表の機会を与え、起業家と投資家の交流の場を提供するイベント「DEMO Japan 2001/Spring」が27日、都内において開催された。主催は(株)IDGジャパンで、今回が日本で第1回目の開催となる。参加した企業は、各10分間という短い時間だが投資家などを前にしてプレゼンテーションを行なった。
基調講演で米GoogleのCEOであるLarry Page氏が、スーパーセッションで元QuickTimeチーフアーキテクトで米Generic Media CEOのPeter Hoddie氏が講演を行なった。
Google、iモ―ド向けサービスを開始
GoogleのCEOであるLarry Page氏は、同日にサービスが開始されたiモ―ド向け検索サービスのデモを講演中に公開した。同サービスは、同社が提供しているWebページの検索サービスをiモード向けに特化させたものだ。検索結果の表示画面をiモードの画面に合うように表示フォーマットを変換するといったことを行なっているという。
iモ―ド対応携帯電話で検索を行なってみせた |
デモが光線の関係であまりよく見えなかったかもしれないので、スライドも見せます |
Page氏は、「検索サービスは、eメールの次によく利用されている重要なサービスだ。パソコンや携帯電話、PDAなどさまざまなデバイスにサービスを提供していく」と、語った。
Googleが提供している検索サービスは、一日あたり7000万回もの検索要求に応えている。Webページ約13億ページのインデックスを持っていて、典型的な検索には0.9秒で応答することができるという。
同社のビジネスは、検索サービスを米Yahoo!など、企業に提供することと、検索結果のページにテキスト広告を掲載する広告収入からなっている。Page氏は、「検索サービスは30カ国100を超える企業に提供しており、テキスト広告のほうはグラフィックスのバナー広告よりも高い効果をあげている」と述べた。
GoogleのCEO、Larry Page氏 |
検索サービスはGoogleのほかにもあるわけだが、それに関して同氏は、「明らかに異なる点を持っていればビジネスとして成り立つ」と、すぐ隣のMcDonaldはすいているのに、わざわざバーガーショップ「In-N-Out Burger」の25分待ちの行列に並ぶ人々の例を挙げて説明した。
Googleは26の言葉でサービスが提供されており、日本語による検索は英語、ドイツ語に次ぐ第3位の位置という。ワイヤレスインターネット接続の先進国、第3位の検索要求数といったことから日本市場を重要視しており、東京オフィスの開設もまもなくの予定であると明らかにされた。
1つのマスターファイルですべてのフォーマットの対応
元QuickTimeチーフアーキテクトであったPeter Hoddie氏らが興したGeneric Mediaは、米国で2月10日~12日に開催されたDEMOで披露した技術を日本で初公開した。
CEOのHoddie氏は、フォーマットやデバイスが多数あるストリーミングメディアの現状が視聴者と提供者の両方にとって負担になっていると説明した。
そこで同社は、コンテンツ提供者が1つのマスターファイルを用意すれば、利用者の環境にあわせたフォーマットに瞬時に変換しストリーミング配信するサービス「Generic Media Publishing Service」を開発した。
Generic MediaのCEOであるPeter Hoddie氏 |
例えば同サービスでは、QuickTimeのソースを1つ用意すれば、利用者の環境にあわせて、Windows Media Player用やReal Player用、MP3 Player用などとフォーマットの変換を瞬時に行ない配信できる。画面サイズや帯域幅についても、利用者に合わせる。
Hoddie氏は、「将来も今も、どのようなデバイスでもどのような接続でもコンテンツを利用できるようにする技術だ。Generic Media Publishing Serviceが、最低限の努力でオンデマンドでリアルタイムにそれを可能にする」と、語った。
従来ならばReal player用、Windows Media Player用などと複数のハイパーリンクを用意しなければならない。それが1つのリンクで済むようになる |
今回は第1回目ということもあり手探りな面もあったDEMO Japanだが、9月か10月に規模を拡大して第2回目を開催する予定という。