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インターネット専業銀行のジャパンネット銀行、12日に営業開始

2000年10月11日 21時33分更新

文● ASCII24 Business Center 高島茂男

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支店を持たないバーチャル銀行

インターネット専業銀行の(株)ジャパンネット銀行が10月12日朝9時に営業を開始する。利便性とローコスト経営を売りとする、24時間365日稼動する日本で初のバーチャル銀行が誕生する。

同行は、(株)さくら銀行を中心に、(株)住友銀行、富士通(株)、日本生命保険相互会社、東京電力(株)、三井物産(株)、東日本電信電話(株)、(株)エヌ・ティ・ティ・ドコモが出資した銀行だ。本店だけで支店を持たず、インターネット上で普通預金、振込み、口座振り替え、定期預金、ローンなどのサービスを行う。「ネットに生まれ、ネットで育つ銀行」(ジャパンネット銀行の宮井芳行代表取締役社長)という。

出資企業の面々と宮井社長(中央)。三井物産の島田精一副社長、東京電力の春英彦常務、住友銀行の足助明郎副頭取、さくら銀行の岡田明重頭取、ジャパンネット銀行の宮井社長、富士通の秋草直之社長、日本生命の宇野郁夫社長、NTT東日本取締役の高島元氏、NTTドコモの榎啓一取締役(左から)

そうはいっても現金の入出金は発生するわけで、それは提携ATM(現金自動預け払い機)により行なう。提携ATMは、さくら銀行のATM・CDが4225台と、コンビニエンスストア「am/pm」内に設置のATM940台。両方あわせて5165台がリアル世界との窓口になる。

宮井社長は、「(バーチャルなインターネットは)リアルな世界より、さらにお客さまが偉い世界だと思っている。個別に電子メールを配信したり、商品を提案するなど、お客さま第一主義でいく」と語った。

宮井社長

預金金利が通常の2倍の水準

金利や振込みの手数料は、ローコストな経営により通常の2倍程度の金利(10月12日現在、普通預金が0.20パーセント、定期預金が3年で0.45パーセント)を提供するという。振り込み手数料は、自行の口座に対しての場合が52円、他行宛ての場合が3万円以上のとき262円、3万円未満のとき168円となっている。なお、取り引き内容に応じて、手数料が無料になる優遇サービスも用意されている。

24時間365日、メンテナンスのとき以外であれば勘定系システムが動いている。ほかのインターネットバンキングは夜間や休日の場合、通常振り込みの予約を受け付けるだけでその瞬間に振り込みが行なわれるわけではない。ジャパンネット銀行であれば、夜中でも休日でも即座に相手の口座に入金される(ただし相手もジャパンネット銀行の場合)。


出資企業の代表が口々に「ほかにないユニークなサービスを期待する」と言っていたように、バーチャル銀行だからこそと思えるサービスが出てこないことには、既存のインターネットバンキングに勝つことは難しいだろう。出資企業とどう連携して既存の銀行にはない新サービスを提供していけるかが鍵となりそうだ。

ジャパンネット銀行の画面イメージ。Microsoft Internet Explorer 4.01以上か、Netscape Navigator 4.06以上に対応している
「人間? 宇宙人? 人工衛星?」このジャパンネット銀行のコーポレートマークは、「インターネット社会における、お客さまの利便性を追求した限りないサービスを、先進的・積極的・スピーディに提供する企業としての姿勢を感じていただくことを基本にデザインしたもの」という

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