松下電器産業(株)は、片面4.7GB(両面9.4GB)の容量を持つDVD-RAM(書き換え型DVD)ドライブとディスクを開発したと25日に発表した。これは同社を含む198社が参加するDVDの規格策定組織“DVDフォーラム”が定めた4.7GBのDVD-RAM規格に準拠するシステム。
今回開発したドライブとディスクに使われた新技術は、以下の5つ。
(1)相変化型光ディスクへの高密度記録再生技術--0.625μmトラックへの記録に対応した、ランド部とグルーブ部の両方に記録する“ランドアンドグルーブ記録”と、千鳥上に配置したアドレス信号を利用するトラックセンター制御技術の開発
(2)相変化記録膜とディスク基板の光ディスク技術
従来のディスクと同等の信号特性を得られる、独自構成の相変化記録膜と低ノイズ基板の開発
(3)4.7GBと2.6GBのディスクに対応した光ピックアップ技術
記録再生用赤色レーザーと光検出器の一体化のほか、厚さの異なるDVD系とCD系の基板に対応できる1レンズ光学系の開発
(4)3軸アクチュエーター技術
従来の面ブレ(フォーカス)方向と偏心(トラッキング)方向に加えて、傾き(チルト)方向も駆動可能な3軸アクチュエーターの開発
(5)1チップ光ディスクコントローラー技術
DVD/CDと異なるフォーマットにも対応可能な1チップ光ディスクコントローラーシステムLSIの開発
同社では、記録容量が従来の片面2.6GBから4.7GBになったことで、動画や音楽情報の記録といったマルチメディア用途への適性が向上するとしているが、DVD-RAMドライブとディスクの実用化の時期と価格については未定としている。