マニュジスティックス・ジャパン(株)は9日、サプライチェーンマネジメント(SCM)ユーザーグループ“Working
as One Japan(仮称)”の設立構想を発表した。これは同社が10日まで開催しているSCMのユーザーカンファレンス“Working
as One '98”のなかで発表されたもの。同社坂寄嗣俊社長のほか、米マニュジスティックス社からケネス・S・トンプソン(Kenneth
S.Thompson)副社長が出席し、同構想について説明を行なった。
米マニュジスティックス社 ケネス・S・トンプソン副社長 |
米マニュジスティックス社ではすでに、ユーザーを中心としたグループを発足させている。マニュジスティックスとユーザー企業、またはユーザー企業同士の情報交換を促進し、製品開発に反映させているという。研究や議論の成果は同社が米国で開催するユーザーカンファレンスで報告されている。
マニュジスティックス・ジャパン坂寄嗣俊社長。「今回のWorking as One '98は、2日間で1500人以上の来場者を予想している。このイベントと、今回構想を発表したグループが日本経済再生の足がかりになれば」と語った |
日本においても、米国の活動をモデルとして、日本におけるSCMの啓蒙と普及を目的として、マニュジスティックス社のSCM製品群を中心とした継続的な研究や情報交換を行なう。参加メンバーは同社ユーザーに限定せず、今後SCM導入を検討している企業、有識者が参加する非営利組織として、'99年春の設立を目指す。米国同様、研究成果は今後同社が定期的に開催する予定のカンファレンスWorking
as Oneで報告する。
同グループの事務局はマニュジスティックス・ジャパンに設置し、運営は同社と参加企業で共同で行なう。既存のSCM研究関連団体“グローバル・ロジスティクス研究会”、“サプライ・チェーン・カウンシル日本支部”との連携、交流を予定しているという。Working
as One '98の終了後、参加企業を含めた話し合いを実施し、具体的な運営方針や活動内容を検討するという。そこで正式な規約、申込書などを作成し、参加メンバーを募集する。
マニュジスティックス・ジャパンではすでにユーザー企業に対して参加を打診しており、「ほとんどのユーザー企業から参加の意思表示を受けている」(酒寄氏)という。
トンプソン氏は、「高品質の製品を提供するだけで売れた時代は終わった。これからはいかにニーズに応じて、最適なタイミングで最適な商品を消費者に届けるかが重要だ。SCMはそのために欠かせないシステムとなるだろう。日本でSCMがさらに普及するために、今回発表したユーザーグループ構想の成功に努めたい」とコメントした。