日本テレコム(株)は、プロバイダとの契約なしにインターネットに接続しWebを閲覧できるプリペイドカード『ODN
Web Card』の記者発表会を行なった。
10月1日に発売されるこのカードは、“カード企業”と呼ばれる企業がオリジナルのデザインと設定でカードを発注、購入し、そのカードを顧客に向けて配布、または販売するもので、裏面には、同社のプロバイダ“ODN”への専用アクセス番号、DNSの番号、IDとパスワードが記されている。カードにはすでに利用料の外に通話料も含まれているため、ユーザーは指定時間分だけ、無料でWebを閲覧できる。ただし、ユーザーのブラウザには強制的に、カードを購入した企業の設定したWebが表示される仕組みだ。
ユーザー側にプラグインのインストールなどの操作は必要なく、HTTPを表示できるブラウザであればどのブラウザを使用しても利用できるのを売りとしている。
このサービスには米オーリック・ウェブ・システムズ社の“オートナビゲーション機能”が使用されており、ユーザーは設定やリンクに関わらず、企業の指定したWebページに飛ぶようになっている。指定されたページの表示方法は2パターンあり、ひとつは、指定されたページ以外には移動できないもの。もうひとつは、指定されたページを、インターネットに接続したときのトップページとして表示した後、ユーザーは自由に移動できるもので、企業側で自由に設定できる。
日本テレコム、ネットワークソリューション事業部部長、中野豊氏は発表会で「このシステムはいわば、テレビの間にコマーシャルが入るようなものです」と述べている。スポンサーが指定したページを強制的に見せる代わりに、ユーザーは通話料とプロバイダ利用料を支払わなくてすむのだ。また、企業はこのカードを購入した額に付加をつけて販売することで、データベース閲覧サービスなどの有料サービスを行なうことも可能で、カードの利用方法は、スポンサーのアイデア次第ということになる。
同社では1999年には200万枚、売り上げ10億円を販売目標としている。販売は(株)電通総研に営業、制作を委託し、そこからクライアントへ提供される。
現在、カード企業としては日本航空(株)、朝日新聞社、読売新聞社、スリーコムジャパン(株)、丸善(株)などが名乗りをあげている。