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ソフトウェア・メインテナンス研究会がシンポジウムを開催

1998年07月09日 00時00分更新

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 '90年の設立から8年目を迎えたソフトウェア・メインテナンス研究会(SMSG)が、“SMS'98 ソフトウェア・メインテナンス・シンポジウム”を開催した。各研究グループが昨年度の研究活動の報告を行なった。2000年問題やSMSGのホームページ開設に関する報告などが行なわれた。

 午後には“ソフトウェアCALS実証コンソーシアム”顧問の大場充氏(広島市立大学情報化学部教授)による、ソフトウェア産業へのCALS応用の現状について講演が行なわれた。CALSは“Continuous Acquisition and Life-cycle Support”の略語。コンピューターとネットワークを組み合わせて製品製造・管理の工程を一元管理するシステムの総称である。

 CALSはもともとは米国防総省が作成した資材調達、管理の規格が発展したものである。日本では'95年5月に“CALS推進協議会”が設立され、電器や鉄鋼、自動車業界などで実験・導入が進められている。受発注に関わる文書やマニュアルの管理を共通のフォーマットで行ない、共有できるようにする。この情報共有をWeb上などで行なうしくみをCITIS(Contractor Integrated Technical Information Service:統合技術情報サービス)と呼ぶ。米国ではここに文書などを保存する際にSGML(Standard Generallized Markup Language)形式を通常用いる。

 大場氏は、“ソフトウェアCALS実証コンソーシアム”において、日本のソフトウェア産業へのCALSの導入を研究してきたという。これまでの実験と実証の結果、ソフトウェア産業にCALSを導入することは基本的には有効であるという結果に達したという。ただ、現段階では問題が発生するたびにメンバーが集合しなくてはならなかったり、CITISによってやり取りするデータ量が多いなど、改良の余地はあるとしている。

 同コンソーシアムでは、今後はユーザー参加型の実用的な実験プロジェクトや、実験成果のデファクト・スタンダード化を目標に研究を続けていくという。

 また、SMSGでは2000年問題についても研究を進めており、パネリストを交えてのディスカッションも行なわれた。日米間の、この問題に対する認識の違いが報告されたほか、日本においては、現状のままでは対策が間に合わないまま2000年を迎えてしまう企業が、中小企業を中心としてかなりの数にのぼるだろうとの予測も示された。(報道局 白神貴司)

http://www.smsg.or.jp/

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