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コンピューター+電話=? “CT World Expo”をリポート

1998年07月03日 00時00分更新

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 幕張メッセで1日に開幕した“WINDOWS WORLD Expo/Tokyo 98”に隣接するホールで、“Computer Telephony(CT)World Expo/Tokyo 98”というイベントが併催されている。コンピューターと電話を統合する製品や技術、サービスなどが並び、WINDOWS WORLDに劣らず多くの来場者を集めていた。これらCTI(Computer Telephony Integration)市場は日本ではまだ新しく、同イベントも今年で2年目。昨年を30社近く上回る78社が出展し、CTI市場へのさまざまなアプローチをアピールしていた。



音声、FAX、マルチメディアデータの融合

 音声とFAX、マルチメディアデータなどを同時に送受信することで、新しいコミュニケーションの形が生まれてくる。会場でまず目立ったのが、コールセンターに関する製品展示。たとえば、ユーザーとオペレーターが同一のホームページ画面を見ながら、電話で顧客サポートを行なうなど、リアルタイムで各種情報を受け渡しできるメリットを活用した重要な用途と言える。

 画像、音声をリアルタイムでやり取りすることで成立するTV会議システムも同様で、多くのブースで見受けられた。(株)富士通ビジネスシステムのブースでは、VocalTec社(イスラエル)のTV会議システム『ATRIUM』を展示。複数の人間で同時にTV会議ができるだけでなく、一般電話から音声のみで会議に参加することもできる。富士通ビジネスシステムが7月末に発売する。

富士通ビジネスシステム富士通ビジネスシステム



 IP(インターネット・プロトコル)を利用してインターネット/イントラネット回線上で通話を行なう“IPテレフォニー”に関連する展示も多い。スカイウェーブ(株)はIPテレフォニーのインフラに着目。米国本社がすでに発売している、一般電話回線とインターネット回線をつなぐゲートウェイ製品『SkyGate 98』から、IPテレフォニーにリアルタイムに課金を施すシステム『Net Manager 98』にいたるまで、幅広く展示していた。日本でも、今月から企業向けにIPテレフォニー製品の出荷を行なうという。

 そのほか、日本ルーセント・テクノロジー(株)のブースでは、Eメール、ボイスメール、FAXメールをひとつのメールボックスに統合し、PCでも電話でもアクセス可能な“ユニファイド・メッセージング・システム”や、交換機をコントロールするためのJava対応API(近日発売)のデモを行なっていた。

日本ルーセント・テクノロジー日本ルーセント・テクノロジー

。左に写る黒い製品はJavaアプリケーションをダウンロードして利用できるハードウェア『JavaStation』

 日本電信電話(株)のブースでは、インターネットとFAXを融合するサービス“テガルス”を紹介。これまで、Eメールなどのデータを一般電話回線用の信号に変換して、FAXに送信するサービスを行なっていたが、7月末あるいは8月上旬から、FAXから送信された文書などを画像データに変換し、添付メールとして受信できる新サービスを開始するという。

 Eメール読み上げ機能や音声認識機能を持つ製品もしばしば見られたが、誤読、誤認識が多く、まだまだ快適なツールとは言いがたい印象を受けた。

ナンバーディスプレー対応製品を2、3紹介

 (株)北海道日立ビジネス機器は、タクシー会社向けの配車システムを展示。ナンバーディスプレーにより、顧客の住所が確認でき、配車がスピーディーに行なえるほか、顧客情報や配車履歴が管理できる。すでに岡山県などで運用されているという。なお、松下電器産業(株)も同様の展示を行なっており、こちらはGPSにより顧客に一番近い車両の検索もできる。

北海道日立ビジネス機器北海道日立ビジネス機器



 (株)マウビックは、ナンバーディスプレーにより得られる電話番号から地図や顧客情報を検索できるシステムを参考出展。Windows95対応で、8月か9月に発売する。

端末いろいろ

 IPテレフォニーの端末については、(株)大興電機製作所などが展示していた。同社は、PCに直接接続しWindows95の画面で電話の操作が行なえるIP電話『V&D Handyphone』や、10BASE-Tポートを備えたIP電話『V&D Telephone』を展示。いずれも7月1日に発売したばかりで、価格はそれぞれ2万3000円、6万円。

 

左から『V&D Handyphone』、『V&D Telephone』 左から『V&D Handyphone』、『V&D Telephone』


 また、インターネット会議やオペレーターの受付業務のためのハンズフリー電話機も各社が出展していた。住商エレクトロニクス(株)は、ハンズフリー電話機『Enterprise』シリーズ(2万2000円から)を参考出展。8月上旬発売予定という。



 その他の端末としては、東京特殊電線(株)の無人受付業務用端末『MEDIA SAURUS』などがあった。独自開発のタッチスクリーンパネル搭載し、赤外線による対人センサー機能やオーディオ機能などを備えている。Windows3.1/95/NT3.51/NT4.0およびMacOSがインストールでき、CTI端末としても利用できる。



(報道局 浅野広明、白神貴司)

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