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【PC EXPO 2000レポートvol.7】噂のCrusoe搭載マシンに注目が集まる

2000年07月03日 00時00分更新

文● 菊地薫

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今年のPC EXPOで静かながら熱い注目を浴びたのが、噂の米Transmeta社のCrusoeチップを搭載したマシン。ブースにはいずれも参考出展ながら、IBM、NEC、日立からプロトタイプのノート機、そして、富士通からはマザーボードが陳列された。

IBMのCrusoe搭載プロトタイプIBMのCrusoe搭載プロトタイプ



Crusoeチップには、現在、プロセッサのコアクロックが366MHzと400MHzの『TM3200』と、500~700MHzの『TM5400』があるとされている。前者は主として専用端末などに使われるもので、ノート機に使用されるのは後者のほうだ。いずれもインテルプロセッサとはアーキテクチャがまったく異なるが、“x86 Code Morphing”という技術を用いて互換性を保っている。

NECのCrusoe搭載ノート機
NECのCrusoe搭載ノート機



最大の特徴は、“LongRun”というパワーマネージメント技術を用いることによって実現された低消費電力、低発熱だが、500~700MHzのTM5400で平均的なアプリケーションを使用する場合の消費電力は、1.2~1.6Vで済むという。また、プロセッサクロックは可変で、必要に応じて自分で設定できる。

日立は2タイプのノートを出品していた。キーボード右手前にCrusoeロゴのシールが見える
日立は2タイプのノートを出品していた。キーボード右手前にCrusoeロゴのシールが見える



これによって、DVDなど大きく電力を消費するアプリケーションでも、発熱温度がPentium IIIプロセッサの場合、105.5度に達するのに対して、TM5400では48度に抑えられる(Transmeta社のデータによる)。また、コマ落ちしない程度にプロセッサ速度を下げると(333MHz程度)、例えば、海外旅行などの際、機上でバッテリを交換せずにパーソナルなDVDプログラムが8時間程度たっぷり楽しめるという。

富士通が参考出品していたノート機のマザーボード富士通が参考出品していたノート機のマザーボード



富士通のマザーボードの写真を見てもらえば、その薄さがよくわかると思う。参考出展の各社のノート機を手に持ってみると確かに軽く、本体よりもむしろLCDのほうが重く感じられるほどだった。また、底部に触ってみると熱を持っているのはプロセッサのある周辺だけで、温度も従来のインテルプロセッサのものよりもかなり低くかった。次世代のモバイル・ノート用プロセッサとして大きく注目されているCrusoeを搭載したマシンが、市場に登場するのは今年の秋口頃とのこと。

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