このページの本文へ

【INTERVIEW】「B'zの“Mixture”では、みんなが楽しめるお祭りをやりたかった」--ZET取締役の安田景憲氏に聞く

2000年02月22日 00時00分更新

文● 編集部 高島茂男

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

2月21日、東京・六本木の(株)ゼット(ZET)のオフィスにて、同社取締役でIT Development Division本部長の安田景憲氏に、B'zのニューアルバム“Mixture”で仕掛けている、CD、インターネット、ラジオのメディアミックスについて、お話を伺った。

BZ-MIXTURE.COMの画面
BZ-MIXTURE.COMの画面



同アルバムは、2月23日に発売される。発売のキャンペーンとして、インターネットのウェブサイト“BZ-MIXTURE.COM”が開設されている。発売日の2月23日午前1時~3時(22日25:00~27:00)にラジオ放送されるニッポン放送の“B'zの@llnightnippon.com”では、インターネットストリーミング放送を予定している。

同ウェブサイトのシステム構築は、(株)アイアイティーヴィー(iiTV)が担当した。同システムには、コンパックコンピュータ(株)のウェブサーバー用キャッシュサーバー『Compaq TaskSmart C1500R 』が2台利用されている。同キャッシュサーバーは、通常だとウェブサーバーが10台必要になるようなトラフィックが発生する状況でも、同製品を接続することにより1台でまかなえるという。

コンパックの広報は、「インターネットを使って人々に夢を与える事が出来た事例の1つで、ウェブシステム環境構築にご協力できた事は、コンパックの誇り」とコメントしている。

Compaq TaskSmart C1500R
Compaq TaskSmart C1500R



--まず、インターネットでやろうと思ったのはなぜですか?

安田「B'zにはオフィシャルのウェブサイトがあるのですが、どうしてもオフィシャルであるがゆえにやりきれないことがあります。また、タイミングが必要となるときがあります。通常ではやりづらい部分を実現できるという面もあり、期間限定のウェブサイトを立ち上げました」

ZETの安田取締役
ZETの安田取締役



--今回の企画では“メール爆弾”を100万通送って、悪役のキャラを倒さないと先に進めない仕掛けになっていますが、そのアイデアはどこから?

「ユーザーの皆さんがウェブサイトの内容を進めていくと。あくまで主導権はユーザーにあるということですね。我々のタイミングでページを更新していくのもいいのですが、ユーザーの方々がページの内容を推し進めていくと。逆にメールをガンガン送っていただくことによって、制作スタッフにカツが入るといういい刺激のし合いになるということもあります」

--進展具合は予想通りですか?

「プレゼントのコーナーは、ほぼ予想通りでしょうか。ある程度の段階で小さなプレゼントを、最後の100万件で大きなプレゼントを予定しています」

「メンバーがBBSに書き込みしたときには、アクセスが沢山きて、重くなってカウントが進まないといった不具合が発生したこともありますが、ほぼ順調ですね。今40万件手前で、番組オンエアー中に50万件とかいっているといいですね」

iiTVの末竹成宏氏「BBSがまるでチャットのようになっているんです。ユーザーの方はリロードを繰り返してるわけです。最後に“さよなら”“おやすみ”なんて書き込みがあったりします(笑)」

iiTVの末竹氏、iiTV法人営業部チーフの戸田麻稀氏
iiTVの末竹氏、iiTV法人営業部チーフの戸田麻稀氏



安田「B'zのメンバーも1ユーザーとして書き込むことがありまして、本物なのかどうか話題になったりします。我々の知らないところで書き込みをすることがあるので、確認すると本物だったと(笑)。本人たちもけっこう楽しんで見ているみたいですよ」

--放送とはどのような融合や、企画などがあるのでしょうか?

安田「元々、Mixtureというアルバムをリリースすることによって、普通ではできないプロモーションを考えようというところから始めまして、期間限定のウェブサイトを作って、オフィシャルサイトではやれなかった部分をある程度やろうと。アミューズメントパークをウェブ上に作ろうと考えました」

「B'zのB'zたるテイストをあまり意識せず、アニメキャラにして、そのアニメキャラがテーマパークの中を歩く。これはどうしてもバーチャルな感じがあるじゃないですか? ウェブというのはゲームと近い部分があって、チャットであるとかBBSであるとかバーチャルな要素が多いですよね。B'zというのは現実的なアーティストであるわけですから、バーチャルな世界だけで盛り上がるよりも、現実ともっと接点を持とうと。そのときにラジオを考えたんですよ。前回のアルバムのときも特番をやったのですが、可能であれば今回もやっていただいて、その内容をインターネットで放送しようと。そういう形にすると、バーチャルからリアリティーに盛り上がっていっていただけると考えたわけです」

「もう1つ、前夜祭イベントをやって、ラジオとインターネット、イベントがシンクロするというのを考えまして、渋谷のQFRONTビルのスペースをお借りして、前夜祭イベントをやろうということになりました。前夜祭イベントとオールナイトニッポン、インターネットが3つのブランチに分かれまして、相乗効果を上げようという企画を書いたところ、それが全部通りまして、やれる運びになったわけです」

「ウェブだけも楽しんでもらえると思うのですが、もっとリアリティーの世界に落とし込んで、よりそのバーチャルな部分をもっとバーチャルとして際立たせるために、リアリティーな部分を身近に感じることができるために、ラジオと前夜祭を考えたというところです」

インターネットストリーミング放送は、22日の23時に同ウェブサイトでファイルへのリンクが公開され、楽しむことができるようになる。

--CDにも何か仕掛けが用意されていますか?

「実はボーナストラックを準備しています。ウェブサイトから“B'zメディアプレーヤー”というものがダウンロードできるのですが、それはMixtureのアルバムがあるとボーナストラックの未発表新曲が再生できる仕掛けになっています。せっかくウェブに来ていただくわけなので、お土産をどんどんお渡ししようという企画です。期間限定のウェブサイトですので、これは3月31日でおしまいです」

B'zメディアプレーヤー
B'zメディアプレーヤー



--音楽配信についてはどう考えられていますか?

「皆さん、CDと音楽配信を別に考えていらっしゃるじゃないですか。そうではなく、CDとダウンロードするもの、どちらが主でも従でもいいのですが、これを買った人だけが行けたり、聞けたりとか、両方をプロモーションツールとしてやっていくと。音楽配信だけでやっても、爆発的な盛り上がりはないと思うのですね。音楽配信だけだとCDの売上が下がっちゃう。CDだけだと音楽配信の売上が上がらないということで、CDを売りながら音楽配信を盛り上げていくという方法が今求められているのかなと考えています」

「短い期間で終わりにしないでという声もたくさん頂いていますので、ウェブサイトを何か違う形でできないかということは検討しています。ダイジェスト版を置くとか、メーキングを置くとかいった案を考えていますが、これからですね」

ZETのスタッフルーム
ZETのスタッフルーム



ユーザーだけでなく、スタッフも楽しみながら今回のイベントを実施しているという。ちなみに、ウェブサイトのアニメストーリーに出てくるキャラクターたちはすべて実在の人物で、ZETの社員やB'zのマネジャー。安田氏も4話ごろに出てくる予定らしい。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン