レーザーファイブ(株)、(株)でんさテクノ東京、アクシスソフトウェア(株)の3社は、東京・秋葉原のでんさテクノ東京において、グループウェア『L-Servo』(エル・セルボ)の商品説明会を開催した。
L-Servoは、3社が昨年12月16日に発表したASP(アプリケーション・サービス・プロバイダー)事業のこと。ユーザーはウェブブラウザーをインターフェースとして使用し、ウェブサーバー上で動作するL-Servoの機能を、インターネット越しに利用することになる。
発表会に出席した3社のトップ。左からアクシスソフトウェア大塚社長、でんさテクノの武山代表取締役、レーザーファイブの窪田CEO |
L-Servoのベースとなるのは、アクシスソフトウェアが提供する統合グループウェアの『SuperVIP
for Web』。サーバーOSにはレーザーファイブの『LASER5 Linux 6.0』を採用しており、販売も同社が担当する。また、サーバーの設置・運用・管理はでんさテクノ東京が行なう。
L-Servoには4つの主な機能として、お知らせ/スケジューラー/名刺管理/施設管理(会議室予約など)が用意されている。これらのサービスはNTTドコモのiモードから利用することも可能。
発表会場では、実際にインターネット越しにL-Servoを利用するデモが行なわれた。これはスケジューラーの機能を紹介しているところ |
料金については、上記の機能をすべて利用できる“プランD”の場合、10IDでは初期費用15万円+月額1万7000円となる。また30IDでは初期費用20万円+月額4万8000円、50IDでは初期費用30万円+月額7万5000円となっている。なお、基本的に契約は年単位で行ない、契約時に1年分の利用料を前払いする形となる。
発表会の席上、でんさテクノ東京の代表取締役を務める武山・一氏は、「Linuxは信頼性が高いと言われているが、実際にはなかなか浸透しない」と前置きした上で、「Linuxの商品スキームを提供することが、企業としての義務と認識している」と述べ、今回のL-Servoがその商品に当たることを強調した。
でんさテクノ東京の武山・一代表取締役、「Linuxはハード的に非常に身軽。デュアルCPU程度のサーバーで十分にASPが提供できる」 |
アクシスソフトウェアの代表取締役社長である大塚裕章氏は、ASPに取り組もうとしたキッカケとして「(グループウェアをインストールする)サーバーは企業に入れるものではなく、あくまでユーザーが使うものではないか」との思いに至ったと語った。そのため「1年前から、ASPにグループウェアから参入したい」と考えていたという。
ただ、同社はソフトベンダーでありハードを持たないことから、「どこかアライアンスを組むところはないかと探した」と語り、今回のL-Servoに至ったとのことだ。
アクシスソフトウェアの大塚裕章代表取締役社長、「LinuxはWindows NTに比べるとかなり速く、差別化が図れる」 |
レーザーファイブの窪田敏之CEOは、販売目標として「1年で1万ユーザー」という数字を挙げた。L-Servoのベースとなる『SuperVIP
for Web』では契約ユーザー数が2万ユーザーだが、「現在はウェブユーザーの分母が大きく増えているので、これからの1万ユーザーは簡単」との見通しを見せた。
レーザーファイブの窪田敏之CEO、「私自身、1年前までは“しょせんウェブじゃん”と、ASPの良さがわかっていなかった。ASPの良さは浸透していくには時間が掛かるが、使ってみるとその便利さがわかる」 |
また、競合のASPに比べて割高と思われる価格設定については、「こちらから価格競争を仕掛けるつもりはない」と前置きした上で、「Linuxを使っていることでコスト的には有利なはず。他社と同水準の価格にした場合でも、他社は赤字でもこちらは利益が出る」と自信を覗かせた。