日本ディジタルイクイップメント(株)は、渡辺邦昭社長が取締役を退任し3月1日付けで同社顧問に、また、上田寿男副社長が新社長に就任する人事を発表した。
上田寿男氏 |
渡辺社長のコメント
「ここ数ヵ月、IT(インフォメーションテクノロジー)やコミュニケーションの分野での日本や世界のマーケットにおける大きな潮流を見ながら、これからのITビジネスで私が果たせる役割を考えてきたが、その結果、今までとは違う仕事にチャレンジしたいという気持ちが強くなってきた」「最終的に社長退任を決めたのは、15日の日曜日に長野オリンピックを見ている時で、決めた以上は早いほうがいい、ということで3月1日付けにしてもらった。今後は顧問に就任して何をやるかは、まだ何も決めていない。『コンパックとの合併後に社長になれないことが、わかったから辞めるんでしょ』という人がいたが、それはまったく関係ない」
「(40歳以上の社員と管理職を対象とした)“NEW DIRECTION PROGRAM”という転身支援制度を実施したことと、社長退任とはまったく関係がない。転身支援制度を行なったことについては、社長としての責任は特に感じてはいない」
次期社長となる上田副社長は、上田体制のビジョンは後日改めて発表する、コンパックコンピュータ(株)との合併がどういうかたちとなるかは米国本社の方針が固まってからになる、転身支援制度は今後も継続することを述べただけにとどまった。
渡辺社長は、「新しいことをやりたいので、社長を退任して顧問になる」と言う一方で、「顧問になって何をやるかはこれから考える」と述べるだけで、業績不振に端を発した“お家騒動”で社長退任に追い込まれた感が強い。また、上田新体制も明確なビジョンはまだ確立しておらず、コンパックとの合併交渉において、コンパック側に大きく主導権をとられることが予想される。
上田寿男氏は、'45年北海道生まれ、'67年北海道大学工学部卒業、同年日本電気(株)入社、'74年DECインターナショナル日本支社入社、'82年日本ディジタルイクイップメント(株)ソフトウェア本部長就任、'87年同社取締役就任、'94年常務取締役就任、'98年取締役副社長就任。(報道局 佐藤和彦)
http://www.dec-j.co.jp/