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クオリティ(株)が“TCO削減・セキュリティセミナー”を開催

1998年01月23日 00時00分更新

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 クオリティ(株)は、“TCO削減・セキュリティ セミナー”を開催した。参加者は企業のシステム管理者など約230名。日本ガートナーグループ(株)の代表取締役社長の田口佳孝氏、セキュリティーコンサルタントの田中武雄氏が講演した。また同社のソフト『Quality Management Suite』の同社での導入事例も発表。同社代表取締役社長の浦聖治氏は、ちょっとした勘違いでスキャナーとパソコンの接続設定に20時間費やした自らの体験を挙げ、「TCOというと今さら、という感じがありますが、まだまだその重要性を経営トップが実感していないのではないかと思われます」と開会のあいさつで述べた。

 田口氏は、企業におけるTCO(Total Cost of Ownership)の測定と削減について講演した。情報システムへの投資効率を向上するためには、現状を分析しTCO削減目標を明確に定めるのが重要という。一般にホワイトカラーの生産性を定量的に測るのは難しいとされているが、ある大手企業では、事務、企画など職種に分けて、それぞれの職務での生産効率を定量化する試みをしているという。またシステム管理を容易にし、エンドユーザーの人件費を削減するために、プラットフォームを統一したり、ヘルプデスク自動化ツールなどのソフトを有効に利用することが必要という。

 田中氏は、“インターネットVPN(Virtual Private Network)”と題して、インターネット犯罪やVPN構築の概論について語った。同氏によると、JPCERT/CC (コンピュータ緊急対応センター)が'97年10月から12月の間に受けた不正アクセスの件数は122件。気がつかないうちにアクセスされていたり、不正アクセスされていても公にしない場合もあるので、発生件数は実際にはもっと多いという。名簿の流出事件なども実際に起こっているが、経理や財務情報は500万円、役員などの人事情報は200万円で売買されるという。また医者や弁護士など、特定の職業しか入手できない情報などに対するセキュリティーが今後重要になってくると語った。

 インターネット導入の際に、企業で専用線を引くとコストがかかる。公衆回線を利用すると安全面での不安が残る。そこで、通信データを暗号化し、ユーザーの認証を行なって公衆回線のセキュリティーを確保したものがVPN。暗号アルゴリズムと鍵管理方式、認証方式の選択、ファイヤーウォールの負荷分散などがシステム構築のポイントだそうだ。

 クオリティの技術部の関哲也氏は、TCO削減の具体例として、Quality Management Suiteを利用した同社内のシステム管理の事例を紹介した。Quality Management Suiteは、いずれも部内ネットワーク管理のためのソフトで、クライアントのアプリケーションの起動状況を監視する『KeyServer5』、ソフトの配布・自動インストールソフト『Quality Network Distributor Plus』、端末使用環境設定ソフト『FoolProof95』、ファイルアクセス管理ソフト『Quality Secret Service』、また3月発売予定のウイルス対策ソフト『Quality AntiVirus』の5つの製品の総称。同社の従業員数は30名。以前からKeyServerなどは使用しており、'97年12月後半に昨日発売されたQuality Network Distributor Plusを導入したという。同ソフトは、システム管理者が登録しておいた各種ソフトをボタンひとつでインストールできるという。またインベントリーの収集も可能。

 同ソフトの導入前は、ちょっとしたインストールでもネットワーク担当者の関氏が、エンドユーザーの席に行って作業し、また不在の場合は対応できなかった。導入後は不便が解消され、社内でも評判がいいという。同氏が社内システムの保守に費やす時間も全業務の5割から1割程度になったという。(報道局 若名麻里)

http://www.quality.co.jp/

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