このページの本文へ

Corel LINUXの今後を聞く - インタビュー

1999年11月01日 09時52分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 カナダのCorelは、「Corel LINUX」を11月15日に公開すると発表した。日刊アスキーでは、Corel LINUXのライセンスや今後の展開について、カナダのCorel本社の広報担当者にメールによるインタビューを行なった。

[日刊アスキー] CorelがDebian GNU/Linuxを選択した理由は何でしょうか。
[Corel] 一流のLinuxディストリビューションは数多くありますが、Corelは、その既存のカスタマベースとLinuxに関する使命とによくマッチしていることから、Debianを選びました。Debianは、しっかりとした方針と全世界に強力なデベロッパベースを有し、徹底したテスト期間を設けています。こうしたことにより、最も総合的でクリーンなコードとなっており、Corelとそのカスタマに、最も堅固なオペレーティングシステムを提供できます。
[日刊アスキー] Corel LINUX Preview1でソース公開をしなかった理由を教えていただけますか。
[Corel] Corel LINUXのベータテスティング段階および関連するCorel Beta TestingAgreementは、決してGNU GPLやそのほか適用されるいかなるオープンソースライセンス合意書の規定に反することを意図するものではありません。Beta TestingAgreementに含まれるCorel LINUXベータ版の複製と配布に関する制限事項は、Corelが、オープンソースソフトウェアを使うことなく独自に開発したCorelLINUXコンポーネントにのみ適用することを意図します。
 こうした独自に開発したコンポーネントは、広く配布する前にさらにテストをする必要があるため、Corelはその複製と配布を制限することに決定しました。こうした追加機能は、Corelのブランド名がつくことになるため、人々がCorelに期待する高品質を達成するようにしたいためです。
 Corelでは、その後Beta Testing Agreementを修正し、制限事項がCorel独自のコードにのみ言及するものである旨を明示しました。オープンソースコードの部分はすべて、すでにベータテスタに制限なくリリースされています。
[日刊アスキー] 今後のCorel LINUXのリリース予定はどうなっているのでしょう。また、ソース公開についてはどうなるのでしょうか。
[Corel] Corel LINUXの北米英語版のPreview2は、10月末頃リリースの予定ですが、この版も、Preview1と同様の扱いになります。Gold版は11月15日頃に完成する見込み(※1)で、その後早期に無料でダウンロードできるようにする予定です。小売りパッケージ製品は、北米では12月に発売する予定です。
[日刊アスキー] Corel LINUXの日本語版の予定はあるのでしょうか。また、あるようでしたら、いつ頃になるのでしょうか。
[Corel]  ぜひやりたいと思っていますが、具体的計画はこれからです。
[日刊アスキー] 今後のCorel LINUXにおけるライセンスについてはどのようになるのでしょうか。現在の配付されているもの、今後出るPreview、Beta、製品版について教えてください。GPL、QPL他さまざまな形態がありますが、どのようなものになるのでしょう。
[Corel] GPLライセンスに規定されているとおり、すべてのGPLコードは、GPLライセンスの条項にしたがってオープンソースコミュニティに還元します。Corel独自のコンポーネントも、何らかのオープンソースライセンスに基づいてリリースしますが、ライセンスの詳細はまだ決定されていません。
[日刊アスキー] CorelのLinuxコミュニティとのかかわり方にはどのようなものでしょうか。
[Corel] Corelはオープンソースコミュニティを支援することにコミットしており、過去数年間、Linuxコミュニティと緊密に協力してきました。Corelのデベロッパーは、DebianやKDEのデベロッパーと始終連絡を取り合っています。Corelのエンジニアリングチームのうち2人は、現在KDEのコア開発チームに加わっています。これは非常に重要なことです。これにより、CorelではKDEの方向を理解する機会が得られますし、コンシューマフレンドリーなGUIの開発に豊かな経験をもつCorelのデベロッパーが、KDEの将来の方向にインプットする機会ともなるからです。また、Linuxコミュニティの方々からのいろいろな提案、指摘等は、最もクリーンで、ベストなコードの開発に大きく役立っています。
[日刊アスキー] Linux市場には大きく分けて、コンシューマ向け市場と、エンタープライズ向け市場があると思います。Corelはどちらの市場をターゲットにしていますか。また、そのために、どのようなことをしていかれる予定ですか。
[Corel]  Corel LINUXはデスクトップ向けということができます。Corelの実力は主としてデスクトップ市場にありますので、そこにターゲットを置いています。Corelは10年以上にわたり、コンシューマ市場および中小のエンタープライズ市場におけるデスクトップユーザーに向けて、アプリケーションやインターフェイスをデザインしてきた実績があります。
 デスクトップ向けですので、他のデスクトップ用OSと同じように使いやすくすることに注力しています。たとえば、WindowsネットワークやWeb、FTPサイトをブラウズできるファイルマネージャを付加し、Linuxのweb対応を強化しました。また、さらに進めて将来のバージョンでは、印刷機能の向上や音声認識への対応なども考えています。
 ただし、Corel LINUXの最初のバージョンは、どちらかというとまだ、Linuxをデスクトップで使ってみたいが、システムを構築するのに時間をかけたくないという技術よりの人が対象となると思います。OEMと協力してCorel LINUXをそのシステムに最適化することにも力を入れています。Linux用のオフィススイートができあがれば、OEMを通じて、そうした人や中小のエンタープライズに対して、総合的なソリューションを提供することができます。
 エンタープライズは一般に新しい技術を受け入れるのに時間がかかります。Linuxは、新しいパラダイムを求めている人に受け入れられやすいもので、そういった意味では、中小のエンタープライズやコンシューマ辺りから普及していくと思われます。こうした市場は、従来からCorelが強い分野です。エンタープライズでは、特定タスク用やナレッジワーカー用に、徐々にLinuxを採用していくと思われ、エンタープライズ市場としては、この辺りからデスクトップに普及していくきっかけになると考えています。
[日刊アスキー] そのほかCorelのLinux関連プロダクツについては日本語化の予定はあるのでしょうか。
[Corel] ぜひやりたいと思っていますが、具体的計画はこれからです。

記事予告!! Corelの日本戦略が今明らかに

 日刊アスキーLinuxでは、来日しているCorelのVIPへのインタビューを行なう。Corel LINUXの日本語化はあるのか? 将来の方向性は? 「Corelの日本戦略」近々公開。

※1 ゴールド版は11月15日頃に完成する見込み 最初に書いたように、すでに11月15日の発表は決まっている。

カテゴリートップへ

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります

アクセスランキング

  1. 1位

    TECH

    訓練だとわかっていても「緊張で脇汗をかいた」 LINEヤフー、初のランサムウェア訓練からの学び

  2. 2位

    ITトピック

    若手が言わない“本音の退職理由”上位は/「データ停止は景気後退よりも企業の脅威」6割/クライアントに告げずAI活用するフリーランス、ほか

  3. 3位

    ビジネス・開発

    最悪のシナリオは「フィジカルAI」による基幹産業の衰退 日本の勝ち筋は、“同期技術”と“ドメイン知識”

  4. 4位

    Team Leaders

    ファイル名が命名規則に合っているかの自動チェック、Power Automateのフローで実現しよう

  5. 5位

    TECH

    “GPUなし”ノートPCで動くLLMで、ローカルAIエージェントを自作する

  6. 6位

    TECH

    糖尿病超早期を採血なしで検出、予防へ! 代謝や臓器のつながりに着目した予防法開発

  7. 7位

    ビジネス

    廃校がAIの心臓部に!? 地方の遊休施設を「AIデータセンター」に生まれ変わらせるハイレゾの挑戦がアツいぞ

  8. 8位

    データセンター

    液冷技術の最先端が集うイノベーションラボ「DRIL」、印西のデータセンターに現わる

  9. 9位

    TECH

    業界横断で“サイバー攻撃から供給網を死守” NTT・アサヒ・トライアルらが「流通ISAC」始動

  10. 10位

    Team Leaders

    バックオフィス業務もAIに“丸投げ” マネーフォワードが「Cowork」機能を2026年7月に投入へ

集計期間:
2026年04月08日~2026年04月14日
  • 角川アスキー総合研究所