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ボトムズの生みの親、高橋良輔監督に直撃インタビュー!

2009年01月20日 23時00分更新

文● コンテンツ計画 清水

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 TVシリーズから25年。リアルロボットアニメとして、今なお人々を魅了してやまないボトムズ。その最新作である「装甲騎兵ボトムズ ペールゼン・ファイルズ」が劇場版として公開された。
 そこで、ボトムズの生みの親である高橋良輔監督に新作映画、今後の構想などについて直撃インタビューを行なった!

高橋監督

高橋監督に直撃インタビューを敢行!

―――いよいよ劇場版が完成しましたが、今の率直なご感想をお聞かせください。

【高橋監督】 もうこの映像はつきあい長いものですから、OVA「ペールゼン・ファイルズ」だけでももう1年半ぐらいでしょ。2008年の夏直前に劇場版もやろうかという話があって……、まあ意気込んだところがないんですよ(笑)。意気込む瞬間がない。さあ終わりかなと思ったら、もう1発劇場版もやってみますかみたいな、そういう感じで。「よしやった!」という実感がないんですよ(笑)。

―――最初から劇場版ありきで始まった話ではなかったのですね?

【高橋監督】 ええ、違います。「ペールゼン・ファイルズ」はDVDシリーズのOVAで全12話ということで始まりました。比較的僕は、まあ12話なら12話、おおざっぱにはこういう発端で、後ろをこういう風にって考えながら、そこから出発するタイプなんですよね。だから12話のラストはこうしたいっていうのがあったんですけど、劇場版を作るってことになったので、その12話の構想は変更して映画用に後ろに持ってきたっていうのはあります。

 劇場版のラストでクレジットが出ますよね。ここの処理は、DVDのシリーズのラストにそういう風にしようと思っていたんです。だから僕の中では12話プラス1話で終わる感じです。劇場版制作の話が来たのは最後の11話、12話を仕上げている時でした。シリーズが始まって、1話2話というタイミングじゃなかった。2008年の梅雨ぐらいからかな。もう毎日これにつきあっていたし、映像もあるのでそれに何を足して、どういう構成にするかっていうことで完成しました。僕が作ってない作品の素材をいきなり渡されて、これを映画にしろって言われたらもうちょっとかかったかも知れない。

―――25年前のTVシリーズと今回の「ペールゼン・ファイルズ」のOVA・劇場版で、何か違う部分、自分のこだわりや作り方が変わった部分はありますか?

【高橋監督】 こだわりはそんなに変わらないですね。こだわっているかどうかは置いといて、自分の中でボトムズはこういうものだっていうのはずっと変わっていないんです。

 たとえばボトムズというTVシリーズを始めた時に、登場人物に女性がいないなんてことは考えられないわけですよ。ところが、じゃあ軍隊だけの話にしようってときに、女性が絡めるか、絡めないかということで、話ががらっと変わってきちゃう訳です。そうするとこのシリーズでは、ある戦場のとある兵士の話を描く時に女性を1人出すと、雰囲気自体が変わってくる。そういうことはしない。それは一つのこだわりだと思うのですけど、作ってきた作品に逆らわないという作り方をしています。まあ次に作るとすれば、男ばっかりはやだなっていうのが自分の中にはあるので、次はちゃんと女性も出てくる話を今のうちに準備しておくとか、そういうことはやっていますね。次があるかどうかはまた別ですよ(笑)。
 映像はやっぱり全体的な中で経済的に成り立たないと次はもう無理ですからね。「また作ってみようか」という環境ができれば、作品は用意しておくというのがいつもの日常なので。言い出してから10年ぐらい作品にならないってたくさんありますので、まあ用意はしとくと。

(次ページへ続く)

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