───すれ違う恋人たちがテーマの本作ですが、ズバリ! 水樹さんは恋とお仕事、両立する派ですか? それともどちらかに偏ってしまいますか?
【水樹】 私は両立したいです! 頑張りたいです!! でも、私は由綺みたいに我慢できないと思います。夜中だろうがなんだろうが、会いに行くだろうな。「会いたいときが会うときよ!」って言って(笑)。忙しいからとかいって電話して、繋がらないからフンって、溜まってくようなことは絶対にしないです。何が何だろうがたぶん連絡を取るし、会えなくてもいいから、頑張ってお家のところまで行ってみたりするだろうな……凄いウザイかもしれないですけど(笑)。だけど、相手のこともちゃんと考えつつ。だって、由綺と冬弥は1年に1回しか会っていないんですよ!? そんなの付き合ってるっていえますか?
───織姫と彦星みたい。
【水樹】 そうなんです。だって、冬弥の台詞で「あれ? 去年そういえば由綺に会ったの、1回だけ……本当に俺達……」という台詞があるんですけど、それはひどいじゃないですか。
───それは非現実的な……
【水樹】 まだデビューもしてないのに、1年に1回しか会えなかったという2人なので、そこまではさすがに……。
───どちらも我慢できなくなりますよね?
【水樹】 そう、そうなんです! せめて月1でお願いします(笑)。だってそんな遠距離じゃないわけですよ。2人とも都内に住んでるんです。だから、会わなさすぎだろって思うので、由綺みたいに1年に1回しか会えないなんて我慢できません。せめて週1回は会いに行くって感じで。
───本作の舞台は1986年、水樹さんは6歳頃だと思うのですが、その頃の記憶はありますか?
【水樹】 もうその頃はバリバリ歌ってました。地元のいろいろな大会だったり発表会に、毎週のように出ていました。
───コンテスト荒らしの異名があったとか?
【水樹】 いえいえいえいえいえ(笑)。
───その頃は今みたいに携帯電話やメールはありませんでしたよね。今だったら、カップルならすぐにメールや電話ができたりするけれど……。
【水樹】 そうですね。だから待ち合わせひとつするのも大変だったと思うし、私は高校生の時にちょうどポケベルが流行っていた時代なので、そういう個人的に連絡が取れるということがすごく嬉しかったのを覚えています。中学の時とか、好きな人に電話をするのに、家電に電話しなきゃいけないドキドキ感とか、きっと今の子たちは経験しないんだろうなと思うと、なんかこう羨ましくもあり、でも一回は経験したした方がいいよなって思ったり(笑)。
───親の目が気になりながらコソっとかけたりね(笑)。
【水樹】 あれはすごいんですよ~!! あの頃は子機とかもあんまりないんですよね。だから自分の部屋にこもって電話なんてしてたら怒られちゃうから、リビングとかに置いてある電話のコードをビーーーって伸ばして電話して……。
───その長く延ばしたコードが明らかに怪しいみたいな?(笑)
【水樹】 そうそうそう、そうやって電話したりとかして。
───そういう時に限ってお父さんが「何やってるんだ?」ってね(笑)。
【水樹】 そうそうそう、そうなんです。あのスリル!!
───電話をかけても、本人が出るかどうかもわからないですしね。
【水樹】 お母さんとか出たらどうしようって。「あ……え~と~、同じクラスの何とかですけども~」みたいなあのドキドキ感!
───そうですよね。今の子たちはそんな経験をすることなく、パーソナルな連絡ツールを持っていますからね。
【水樹】 そうなんです。
───ラブレターを書いたりとか、そういう事とかもしないんでしょうね。
【水樹】 しないんでしょうね~。メールでできちゃうんですから。ラブレターは書いたことないですけど、手紙を書いてまわしたりするのとか流行っていて、すごく楽しかった(笑)! 今だったら授業中、机の下でメールを打っていればいいですしね。私たちの頃は、ノートをとってるフリをしながら、筆箱とノートの間に紙を隠しながら手紙を書いて、いろいろな折り方でまわしていたのに。本作では、あの時代の良さと言うのがすごくあると思うんですよね。86年には、私はまだ物心もついてなくって、恋愛というのもなんだかよくわからない時代ですけど、その当時に近い経験はしていると思います。
───アナログ全盛期の?
【水樹】 そうですね。
───本作を通して、そういった当時のことを知らない人たちにも、そのときのワクワク感、ドキドキ感というのが伝わるといいですね。
【水樹】 そうですね。
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