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マンガ制作ソフト

レビュー:Comic Studio EX 4.0 for Mac OS X

2008年09月29日 18時00分更新

文● コレサワシゲユキ

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プロ/アマチュア問わず使えるマンガ制作ソフトの決定版


Microsoft Expression Media 2 【SPEC】
開発/販売元●(株)セルシス 価格●4万8300円
http://www.celsys.co.jp/

対応システム●OS X 10.4.11以上(Leopard対応) 対応機種●PowerPC G4以上、またはインテルCPUを搭載したMac

【COMMENT】
トーンやペンツールが数多く追加され、完成度の高いマンガを制作できる。初心者向けの機能も充実し、敷居が低くなった。


 定番マンガ制作ソフト「Comic Studio」が、ようやくIntel Macに対応した。ユーザーインターフェースを細部まで見直し、直感的で効率のいい作業環境を実現。画面の一部にゆがみを与える「ゆがみツール」や筆ペン風の雰囲気を表現する「筆ペンツール」、画を転写する「スタンプツール」など、あらゆるジャンルのマンガ制作をサポートするツールが大幅に追加されている。

Comic Studio 4.0

ペンやトーンなど膨大な素材管理が必要なので、基本インターフェースはパレット類を数多く用意。それでいて、うまく整理されており直感的に操作できる

 本ソフト最大のトピックは、3Dモデルデータを取り込んで手描き風に仕上げる「3DLTレンダリング」の強化だ。内容を変更するたびにレンダリングし直すといった前バージョンの煩わしさから解放され、手軽にウィンドウ上で編集可能になった。さらに、LWO/OBJ/Shadeなど対応するファイル形式も多彩だ。作成方法は3Dオブジェクトを配置し、輪郭線チェックボックスにチェックを入れてベクターレイヤーを選択。レンダリングされた輪郭線は、強弱や入り/抜きといった効果を容易に施せる。ベクターレイヤーをラスタライズして、「放射曲線定規」から動きに合わせた線を描き足せば、臨場感のある作品に仕上がる。雲型定規を多用する少年/青年アクションマンガ家には、必須の機能だろう。

3Dモデルデータを取り込むと、輪郭線ベースのベクターレイヤーが形成される(左)。あとは「定規」メニューの「放射曲線定規」を実行すれば、手描き風の集中線が加わり激しい動きを表現できる(右)

 最後に「選択範囲ランチャー」から塗りつぶしや消去、トーンを張って調整すれば完成だ。なおトーンを張り付ける際は、複数の領域を一度に塗りつぶす「閉領域フィル」ツールが便利。タッチや描け網が多数入っているデジタルに不向きな絵柄でも、簡単にトーンを張れる。

Comic Studio 4.0

トーンの張り付けは、選択ツールでエリアを指定すると表示される「選択範囲ランチャー」から実行する。トーンの種類を変更したい場合は、レイヤープロパティウィンドウにある「トーン」タブの設定を変更しよう

 そのほか、デジカメで撮影した画像をレンダリングして描画とトーンで取り込む「2DLTレンダリング」を搭載する。

Comic Studio 4.0

「ファイル」メニューの「読み込み」にある「2DLT」から、任意の画像を指定。対応形式は、JPEG/PNG/TIFFなど全7種類

今回のバージョンアップは、制作現場の意見を細部まで取り入れ機能や操作性を改善した印象。前バージョンを使っているユーザーは、迷わずに購入すべきだ。


(次ページに続く)

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