YRPユビキタス・ネットワーキング研究所は9日、同研究所と東京大学大学院情報学環のCOE(Center of Excellence)“次世代ユビキタス情報基盤の形成”が技術協力を行なっている実証実験“東京ユビキタス計画・銀座”の記者向け体験会を開催した。
“東京ユビキタス計画・銀座”は、TRONベースの携帯情報端末“ユビキタス・コミュニケータ”(UC)と、無線ICタグや2次元バーコードなどで場所に振られたID(ucode)を利用して観光ガイドや道案内を提供するプロジェクト“東京ユビキタス計画”の一環として、1月21日から実施されているもの。実施しているのは東京都と国土交通省で、ユビキタスコンピューティングの研究を行なう研究機関であるYRPユビキタス・ネットワーキング研究所とCOE“次世代ユビキタス情報基盤の形成”が技術協力を行なっている。今回の体験会は、実験に利用されている技術を紹介する目的でYRPユビキタス・ネットワーキング研究所が実施したもの。
実証実験の場となる銀座4丁目付近には、それぞれucodeが振られたICタグ、赤外線マーカー、無線マーカーなどの“ucodeマーカ”が約1000個設置されており、ユーザーが“ユビキタス・コミュニケータ”を持って“ucodeマーカ”の近くに行くと、各ucodeに応じた情報が“ユビキタス・コミュニケータ”に表示される。閲覧できる情報は地図、周辺の3D画像、周辺の施設情報(トイレ、医療機関、交番など)、観光情報(歴史にまつわるコラムなど)、店舗情報、交通情報、付近で火災が発生したなどの災害情報など。電子掲示板の閲覧/書き込みも行なえるほか、“ユビキタス・コミュニケータ”でどのucodeの情報を見たかを、後でパソコンのウェブブラウザー上で確認することもできる。
説明会のガイドを務めたYRPユビキタス・ネットワーキング研究所所長で東京大学大学院情報学環教授でもある坂村 健(さかむら けん)氏は、“東京ユビキタス計画・銀座”について、「実験に参加し、ucodeで情報を発信したいという店舗や施設がどんどん出てきている。もう1回、1年後に来てみて下さい。そうしたらもっと増えていると思う」と、手ごたえを語った。
実証実験の内容を写真で紹介する。
“東京ユビキタス計画・銀座”の実証実験は、参加申し込みを行なえば誰でも参加できる。