ASCII倶楽部

このページの本文へ

ASCII Power Review 第260回

CPUはもちろんストレージも爆速でした

デルのフラッグシップも「スナドラX」搭載で「Copilot+ PC」に=「New XPS 13」実機レビュー

2024年08月02日 10時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷


 デルは「Snapdragon X Elite」を搭載した13.4型Copilot+ PC「New XPS 13」を発売した。本製品はCopilot+ PCとしては珍しく、メモリー、ストレージ、ディスプレー、キーボード、そしてカラーをきめ細かにカスタマイズ可能だ。

 またメモリーは最大64GB、ストレージは最大2TBと、モバイルノートPCとしても最高クラスの構成を選択できる。Copilot+ PCをメイン機として本気で活用したい方に、ぜひ注目いただきたい製品なのだ。デルから試用機を借用したので、レビューしていこう。

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

デル「New XPS 13」24万9980円

Win 11 Proに64GB/2TB/OLEDで
37万8240円はお買い得だ

 「New XPS 13」はOSに「Windows 11 Home日本語版」/「同Home英語版」/「同Pro日本語版」/「同Pro英語版」、プロセッサーに「Snapdragon X Elite X1E-80-100」(12コア、最大4.0GHz、45TOPS)を採用。メモリーは16GB/32GB/64GB(LPDDR5X-8488)、ストレージは512GB/1TB/2TB(PCIe Gen4接続、M.2 2280)を搭載している。

 ディスプレーは下記の3種類。Dolby VisionとEyesafeテクノロジーはすべてのディスプレーに搭載されている。

・13.4型3K OLED
(2880×1800ドット、400ニト、100% DCI P3、コントラスト比100万:1、60Hz、タッチ対応、光沢[反射防止/防汚加工])

・13.4型QHD+液晶
(2560×1600ドット、500ニト、100% DCI P3、コントラスト比2000:1、120Hz、タッチ対応、光沢[反射防止/防汚加工])

・13.4型FHD+液晶
(1920×1200ドット、500ニト、100% sRGB、コントラスト比2000:1、120Hz、タッチ非対応、非光沢)

 インターフェースはUSB Type-C(40Gbps、Power Delivery、DisplayPort)×2を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 7、Bluetooth 5.4をサポートしている。

 本体サイズは295.3×199.1×15.30mm(OLEDモデルは14.8mm)、重量は1.19kg(OLEDモデルは1.17kg)。55Whのバッテリーを内蔵し、バッテリー駆動時間は最大27時間、充電時間は3時間とされている。

 本製品をWindows 11 Pro、64GBメモリー、2TBストレージ、13.4型3K OLEDという最大構成にした際の価格は37万8240円。円安が続く現状としては、比較的リーズナブルな価格設定だ。

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

ボディーには削り出しアルミニウムとCorning Gorilla Glass 3を採用。カラーはグラファイト、プラチナシルバーの2色を用意

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

底面は冷却口のないスッキリとしたデザインだ

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

ディスプレーは、13.4型3K OLED(2880×1800ドット、タッチ対応)、13.4型QHD+液晶(2560×1600ドット、タッチ対応)、13.4型FHD+(1920×1200ドット、タッチ非対応)の3種類から選択できる

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

キーボードは68キーの日本語配列

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

Fnキーを押すと、メディアキーからファンクションキーに切り替わる

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

本体前面(上)と本体背面(下)

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

右側面と左側面にUSB Type-C(40Gbps、Power Delivery、DisplayPort)を1基ずつ用意

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

パッケージには本体、60W ACアダプター、電源ケーブル、USB Type-Cケーブル、説明書類が同梱

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

電源ケーブルの長さは実測93cm、USB Type-Cケーブルの長さは実測180cm

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

ACアダプターの型番は「DA60NM200」。仕様は入力100-240V~1.7A、出力5V 3A、9V 3A、15V 3A、20V 3A、容量60W

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

本体の重量は実測1191.5g

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

ACアダプター、電源ケーブル、USB Type-Cケーブルの合計重量は実測263.4g

もちろん、Copilot+ PCならではの
各種AI機能を活用できる

 本製品は前述のとおり、マイクロソフトのAI PCの要件を満たしたCopilot+ PCだ。

 最大45TOPSの処理能力を発揮する「Snapdragon X Elite X1E-80-100」を搭載し、16GBメモリー、256GBストレージという条件をクリア。Copilotキーを装備して、AI生成アシスタント「Copilot」をワンタッチで起動できる。

 さらに、自分で描いたラフ画を元にイラストをAI生成できる「コクリエイター」、音声を認識して翻訳した字幕を表示可能な「ライブキャプション」、ウェブカメラの映像に特殊効果を与えられる「スタジオ効果」などのAI機能を利用できる。

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

Copilotキー自体は、今後発売されるCopilot+ PC以外のPCにも搭載される

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

AI生成アシスタント「Copilot」はCopilotキーでいつでも呼び出せる

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

自分で描いたラフ画を元にイラストをAI生成できる「コクリエイター」

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

音声を認識して翻訳した字幕を表示可能な「ライブキャプション」

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

ウェブカメラの映像に特殊効果を与えられる「スタジオ効果」

 本製品で特徴的なのがキーボードとタッチパッドだ。キーピッチは横19.05mm、縦18.05mm、キーストロークは実測1mmが確保されているが、キー同士のすき間は狭められている。

 また、振動でクリック感をフィードパックするハプティックタッチパッドを採用。タッチパッドとパームレストがシームレスに一体化されており、実際のサイズがわかりにくい。デザイン性は非常に高いが、少し慣れが必要なのは確かだ。

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

キーピッチは横19.05mm、縦18.05mm

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

キーストロークは実測1mm

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

キーボードバックライトの輝度は環境光に応じて自動調整される

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

シームレスなガラス製タッチパッドの面積は112.3×64.15mm。振動でクリック感をフィードパックするハプティックタッチパッドが採用されている

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

ディスプレーはマルチタッチ操作に対応。指先でも簡単なイラストなら描ける

 ウェブカメラは、1080p/30fpsのフルHD RGBカメラ、360p/15fpsのIRカメラを独立して内蔵しており、RGBとIRカメラを兼ねたハイブリッドタイプより明らかに画質がいい。

 室内灯下でも明るく、自然な発色で撮影可能だ。ただしデザイン性を重視したためかもしれないが、プライバシーシャッターが付いていないのは、いまどきのノートPCとしては残念だ。

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

ディスプレー上部には1080p/30fpsのフルHD RGBカメラ、360p/15fpsのIRカメラ、デュアルアレイマイクを内蔵

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDRオフ)

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

Windows 11の「カメラ」アプリで撮影(HDR proオン)

デルのCopilot+ PCの
パフォーマンスはいかに?

 「New XPS 13」は前述のとおり、プロセッサーに「Snapdragon X Elite X1E-80-100」(12コア、最大3.4GHz、45TOPS)を搭載している。

 デルのノートPCはインテルCPU搭載では、他メーカーより高いスコアを記録することが多いので、「New XPS 13」がどのぐらいのパフォーマンスを発揮するか楽しみだ。

 比較対象機種は「Snapdragon 8cx Gen 3」を搭載する「ThinkPad X13s」だ。

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

「HWiNFO 64 Pro」で取得したシステムの概要

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

ベンチマークは「MyDell」の「電源→温度管理」を「ウルトラパフォーマンス」に設定して実施

 まずCPU性能については、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は11188pts、CPU(Single Core)は1313ptsとなった。

 「ThinkPad X13s」の CPU(Multi Core)は2785pts、CPU(Single Core)は583ptsだったので、「New XPS 13」は402%相当、225%相当のスコアを記録したことになる。

 プロセッサーとエミュレーター「Prism」の合わせ技により、エミュレーション時のベンチマークスコアが大幅に向上したわけだ。

「Copilot+PC」「New XPS 13」実機レビュー

「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)は11188pts、CPU(Single Core)は1313pts(エミュレーション動作)。「CINEBENCH 2024」のCPU(Multi Core)は1027pts、CPU(Single Core)は124pts(ネイティブ動作)

カテゴリートップへ

この連載の記事

ASCII倶楽部の新着記事

会員専用動画の紹介も!