ASCII Power Review 第222回
ペンとキーボードでPCを超える使い心地
爆速でカメラもスゴい大画面タブレット「Galaxy Tab S9 Ultra」実機レビュー
2023年10月03日 12時00分更新
サムスンは14.6インチの大画面Androidタブレット「Galaxy Tab S9 Ultra」を発売した。同時に11インチ、12.4インチ版もリリースされているが、本製品はそのなかでも最大サイズのディスプレーを搭載している。
Galaxy Tab S9 Ultra最大の売りはタブレット最大クラスの大画面。またカメラはリア、フロントそれぞれに広角、超広角を搭載。そしてAndroid最新、最速のプロセッサー「Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxy」を採用。Androidプラットフォーム全体で見てもフラッグシップと位置づけられる最強タブレット端末なのである。S9 Ultraにペン、キーボードをサムスンから借用できたので、じっくり触ってみよう
フラッグシップスマホと同じ「Snapdragon 8 Gen 2」を搭載
ディスプレーは2960×1848ドットのAMOLED
「Galaxy Tab S9 Ultra」はOSに「Android 13」、プロセッサー(SoC)にクロック周波数を強化したGalaxyシリーズ専用の「Snapdragon 8 Gen 2 Mobile Platform for Galaxy」を搭載する。メモリー(RAM)は12GB、ストレージ(ROM)は512GBを搭載。最大1TBのmicroSDメモリーカードでストレージを増量可能だ。
ディスプレーは14.6インチのWQXGA+ Dynamic AMOLEDで2960×1848ドット、120Hz、HDR10+、Sペン対応を搭載。サウンド機能はAKGと協業開発したクアッドスピーカーを内蔵している。
カメラはリアに13MP広角、8MP超広角、フロントに12MP広角、12MP超広角を採用。前面にデュアルカメラを搭載しているのは珍しいく、狭額縁仕様なのでわずかにノッチがある。
ワイヤレス通信はWi-Fi 6E、Bluetooth 5.3を搭載。有線インターフェースはUSB 3.2 Gen1 Type-C端子と、キーボードカバー「Book Cover Keyboard」、「Book Cover Keyboard Slim」と接続するための金属接点が用意されている。
本体サイズは208.6×326.4×5.5mm、重量は732g。11200mAhのバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間はネット使用で最大10時間、ビデオ再生で最大16時間、音楽再生で最大218時間と謳われている。
スタイラスペン「Sペン」は同梱されているが、キーボードカバーの「Book Cover Keyboard」(4万6200円)と「Book Cover Keyboard Slim」(2万6400円)は別売りだ。本製品は「DeXモード」を使用すればPCのようなマルチウインドー環境でAndroidアプリを使えるので、ぜひともキーボードカバーをセットで購入しておきたい。
キーボードカバーはオプションで2種類
ペンの使い勝手はAndroidタブレット随一の良さ
今回本体と一緒にオプションのキーボードカバー「Book Cover Keyboard」を試用した。このキーボードカバーは、前面(キーボード部)と背面(キックスタンド部)がそれぞれマグネット式になっており、手軽に着脱可能。またキックスタンドは無段階に角度調整できるので、液晶ペンタブレット的に利用する場合にも水平近くまで倒せる。
キーボードはSurfaceシリーズのように角度を付けられないので、強く打鍵する人だと指にショックを感じる。とは言え力を加減すればよいので、慣れで解消可能だ。
「Book Cover Keyboard」はキーボードカバーとしては4万6200円と高価で、装着時に本体とSペンを合わせて実測1424.5gと重い。ひんぱんにノートPC的に使わないのなら、サードパーティー製のBluetoothキーボードなどと組み合わせるのもリーズナブルな選択だ。
Galaxy Tab S9シリーズ共通の売りはスタイラスペン「Sペン」の使い勝手の良さだ。サムスンは長年Galaxy Noteシリーズ、Galaxy Tabシリーズでペンの使い勝手を進化させてきただけあって、適度な摩擦感を備えたペン先はアナログ筆記用具のような書き味を実現している。
また独自アプリをいつでも「エアコマンド」から呼び出せるだけでなく、「GoodNotes」、「Luma Fusion」、「Clip Studio Paint」、「ArcSite」などGalaxy向けに最適化されたクリエイティブアプリを利用可能だ。
スタイラスペンを使えるAndrodタブレットはほかにもあるが、独自ソフトウェアの完成度に加えて、サードパーティー製アプリの充実度もあり、Galaxy Tab S9シリーズは別格と言うことができる。
Galaxyスマホゆずりの高いカメラ画質
ノートPCのウェブカメラとは雲泥の差
Galaxy Tab S9 Ultraには、リアに13MP広角、8MP超広角カメラ、フロントに12MP広角、12MP超広角カメラが搭載されている。これらカメラの画質はGalaxyスマホ譲りのすばらしさで、ノートPCのウェブカメラなどと比べると雲泥の差だ。画素数自体はそれほど高いわけではないが、スペック以上の解像力が感じられる。
14.6インチの大画面ディスプレーでの撮影はなかなか面白い体験なうえ、プレビューでピントや色が合っているかどうかをしっかり確認できるという実用的なメリットもある。
AnTuTuスコアは現時点での最高クラスをマーク
バッテリー駆動時間も予想以上の長さだ
この連載の記事
- 第270回 インテルの最新AI CPU「CoreUltra2」搭載モバイルノートPC「Swift 14 AI」実機レビュー
- 第269回 14万円で買えるニコンの最新ミラーレスカメラ「Z50Ⅱ」実写レビュー
- 第268回 インテル最新AI CPU「CoreUltra2」搭載で超軽量なのにバッテリーは15時間持ち=「MousePro G4」実機レビュー
- 第267回 18インチになる世界初の2階建て2画面ノートPC「GPD DUO」実機レビュー
- 第266回 ついに発売!! キヤノンの最上位ミラーレスカメラ「EOS R1」徹底実写レビュー
- 第265回 未来デザインのPCが「CoreUltra2」で「Copilot+PC」になった!! 新「XPS13」実機レビュー
- 第264回 Copilot+PCはペンで使いたい=14型2in1ノート「HP OmniBook Ultra Flip14 AI PC」実機レビュー
- 第263回 「アポ・ズミクロン」の描写力に圧倒された!!フルサイズコンパクトカメラ「ライカQ3 43」実機レビュー
- 第262回 最先端AIで被写体トラッキング飛行してくれる超小型ドローン「DJI Neo」実機レビュー
- 第261回 最強AF撮影も1億7900万画素もやってみた=「EOS R5 MarkⅡ」実写レビュー
- この連載の一覧へ