ASCII Power Review 第183回
「Ryzen 9 PRO 6950H」+「Radeon RX 6500M」を搭載可能
レノボ「ThinkPad Z16」実機レビュー = 未来のThinkPadはみんなこの形になるのか!?
2022年08月11日 10時00分更新
レノボは性能やデザインだけでなく、環境にも配慮したThinkPadの新シリーズ「ThinkPad Z13/16」を発売した。13.3型のThinkPad Z13、16型のThinkPad Z16の2シリーズがラインナップされており、どちらも筐体に再生アルミニウムを採用することで堅牢性と環境負荷の低減を実現。また製品パッケージには堆肥化が可能な竹とサトウキビの繊維素材が利用されている。
サステナビリティの取り組みを強くアピールしている本シリーズだが、一新された筐体デザイン、トラックポイントをダブルタップすることで呼び出せるクイックメニュー、120mm幅の大型感圧タッチパッドなどなど新たな試みが盛り込まれている。今回、上位モデルの「ThinkPad Z16」を試用したので実機レビューをお届けしよう。
CPUはRyzen PRO 6000シリーズを採用
GPU搭載モデルも選択可能だ
ThinkPad Z16には記事執筆時点(8月10日)で下記の3モデルが販売されている。
・ThinkPad Z16:パフォーマンス(直販価格26万645円)
Ryzen 5 PRO 6650H/dGPUなし/RAM16GB/SSD512GB/WUXGA液晶(タッチ非対応)
・ThinkPad Z16:プレミアム(直販価格27万2030円)
Ryzen 7 PRO 6850H/dGPUなし/RAM16GB/SSD512GB/WUXGA液晶(タッチ非対応)
・ThinkPad Z16:エクストリーム(直販価格33万4268円)
Ryzen 7 PRO 6850H/Radeon RX 6500M /RAM16GB/SSD1TB/WUXGA液晶(タッチ非対応)
記事執筆時点では選べない項目も含まれているが、公式サイトの製品仕様には下記のようなカスタマイズ項目が記載されている。
・OS Windows 11 Home/Windows 11 Pro/Windows 10 Pro
・CPU
AMD Ryzen 5 PRO 6650H(6コア、12スレッド、最大4.5GHz、45W)
AMD Ryzen 7 PRO 6850H(8コア、16スレッド、最大4.7GHz、45W)
AMD Ryzen 9 PRO 6950H(8コア、16スレッド、最大4.9GHz、45W)
・GPU 内蔵GPU/AMD Radeon RX 6500M
・メモリー 16GB/32GB(LPDDR5-6400)
・ストレージ 512GB/1TB/2TB(PCIe Gen4 x4接続SSD)
・ディスプレー
16型WUXGA IPS液晶(1920×1200ドット、100% sRGB、非光沢)
16型WUXGA IPS液晶(1920×1200ドット、100% sRGB、10点マルチタッチ対応)
16型WQUXGA OLED(3840×2400ドット、10点マルチタッチ対応)
・ウェブカメラ
FHD 1080p RGB+IR Hybrid Webカメラ(電子式プライバシー・シャッター付き)
FHD 1080pカメラ、IRカメラ(電子式プライバシー・シャッター付き)
・WWAN なし/4G LTE
これら以外のスペックは共通。インターフェースは、USB 4×2、USB 3.2 Gen2 Type-C×1、3.5mmコンボジャック×1、SDカードリーダー×1を用意。ワイヤレス通信はWi-Fi 6EとBluetooth 5.2をサポートする。オーディオ機能は2マイク+2スピーカー構成で、Dolby Audio、Dolby Atmos、Dolby Voice対応だ。
キーボードは87キーの日本語配列のみ。ポインティングデバイスはおなじみの「TrackPointポインティング・スティック」と、感圧タッチパッド「ThinkPadクリックパッド」を搭載。カーソルキーの左に指紋認証センサーが内蔵されている。
本体サイズは354.4×237.4×15.8mm、重量は約1.81kg。72Whrのリチウムイオンポリマーバッテリーを内蔵しており、バッテリー駆動時間は最大約25.9時間と謳われている(JEITA 2.0基準)。
ちなみに13.3型のThinkPad Z13は、CPUにRyzen PRO 6000シリーズを採用しており、ディスクリートGPU搭載モデルは存在しない。パフォーマンスを重視するならThinkPad Z16を選ぶべきだ。
タッチパッドは感圧式に
トラックポイントは健在
ThinkPad Z16の87キー日本語配列キーボードは、キーピッチが実測19mm、キーストロークが実測1.5mm。文字キーはすべて等幅に揃えられており、変則的なキー配置はない。ややストロークが浅く、底打ちしたときの感触が硬く感じられるが、ほかの薄型ノートPCから機種変更した方なら違和感はないはずだ。
従来のThinkPadシリーズと大きく異なるのはポインティングデバイス。おなじみの「TrackPointポインティング・スティック」は継承されているものの、感圧タッチパッド「ThinkPadクリックパッド」が採用されており、左右クリックボタンの「TrackPointボタン」は物理的なボタンではなくなっている。ThinkPadクリックパッドの上部で左右クリックは可能だが、慣れるのに少し時間がかかるだろう。
なお、ThinkPadクリックパッドのフィードバックは「MacBook」などと比べると、デフォルトの振動がかなり弱い。「設定→Bluetoothとデバイス→タッチパッド」の「タッチパッドのフィードバック」で強さを調整できるので、初回起動時に自分好みに設定することをおススメする。
今回の試用機には16型WUXGA IPS液晶(1920×1200ドット、100% sRGB、非光沢)ディスプレーが搭載されていた。カラーキャリブレーション機器「i1Display Pro」と色度図作成ソフト「ColorAC」で計測したところ、sRGBカバー率は99.3%、AdobeRGBカバー率は77.4%、DCI-P3カバー率は77.6%という値が出た。モバイルノートPCとしては広色域のディスプレーだ。ただ、クリエイティブワークにも活用できる広色域ディスプレーが必要なら、WQUXGA OLEDを選択したいところだ。
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