クラゲはプランクトンの仲間
クラゲ。見ていて楽しい、食べておいしいクラゲ。たまに排水溝を詰まらせちゃったりするクラゲ。そんなクラゲが、“脳もない、心臓もない”、さらには“不老不死なヤツもいる”と知ったのは最近のこと。だってそうクラゲを深堀りして生活することなんて、基本あまりありません。
クラゲ、と聞くと、だいたい想像するのは“夏過ぎの海にプカプカ浮いている”、“刺されると痛いしまれに死ぬ”、“水族館でライトアップされてきれい”、“きゅうりと和えると美味い”、このくらいです、私は。クラゲを突っ込んで調べたのは、その毒性に興味がわいたカツオノエボシを深堀りした時くらいです。そういうわけでクラゲの内臓なんて気にもしたことありませんでした。が、まさか奴ら、脳がなくて心臓もなく、しかも不老不死タイプがいるなんて思いもしませんでした。が、このような奇想天外な生態を持つと知ってしまうと、深堀りするしかありません。今晩のおかずになる前に、クラゲをちょっと見つめなおしてみたいとします。
まず、クラゲは“プランクトン”の仲間です。プランクトン、あの海とかに浮いているちっちゃな生物です。それに比べたらクラゲって全然大きいですが、なぜ彼らと同じ仲間なんでしょう? 答えは“遊泳能力を持っていないから”。「……えっ、クラゲ泳いでんじゃん。水族館でも海でもふわふわ泳いでんじゃん」とツッコミたくなりますが、実のところ、クラゲは常に泳いでいるわけではありません。ゆらゆら海中に“浮いて”もいるのです。そのため、水槽などではある程度水の流れを作ってやらないと、底に沈んでしまい、そしてお亡くなりになってしまいます。そうか、泳いでるんじゃなくて浮いているんだ……そうなんだ……。
彼らはその特徴的な傘を使って、ある程度水の中を移動しますが、その傘は筋肉を使って動かしています。そして、その筋肉で自身の生命活動さえも営んでいます。そう、全身が心臓のようなものです。この全身の筋肉運動で、私たち人間と同じく、酸素と栄養分を全体にいきわたらせているのです。脳はありませんが、かわりに神経はあります。
「えええ……じゃあクラゲにむしろある内臓ってなんなの?」って感じになってきますが、胃や生殖腺はちゃんとあります。ごはんを食べて子孫を残す、動物の営みに必要な器官はちゃんとそろっています。なお、口とおしりの穴を併用しています。なんだか、最低限のスペックで、エコな生き方をしている気がしてきましたクラゲ。
そして、クラゲといえば“毒”ですね。私は刺されたことはありませんが、刺された人曰く、“チクチクする”、“ヒリヒリする”そうですが、先に紹介したカツオノエボシなど、猛毒クラゲに刺されてしまうと、まれに死んでしまうこともあります。また、蜂などもそうですが、怖いのは“アナフィラキシーショック”ですね!
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