発明当初は治療薬として発売
夏は過ぎ去ろうとしていますが、それなりに暑い日が続いていますね。今年の真夏も酷暑でした。そんなやる気と体力を奪う猛暑の中、ついつい体が欲してしまうのがキンキンに冷えた飲み物です。
そんな清涼飲料水の代表! といえば、やっぱり“コーラ”ではないでしょうか? あの独特の甘みとシュワシュワした炭酸が、なんとも言えない、それでいてそれしかない飲料です。
今でこそ日本でもごくフツーに売られているコーラですが、日本で一般向けに販売されたのは、今から60年くらい前のこと。そのため、ウチの大正生まれのばあちゃんは、“めったに飲めないアメリカの飲み物”という印象で、普段お茶しか飲まないのに、なぜか花火大会の時だけコーラを飲むという独自ルールを持っていました。アメリカでは実に130年以上前にこのコーラ、発明されています。世代が違えばコーラの印象も違うもんなんですねぇ。
さてさて、そんな印象のコーラですが、これまでの“おいしい”と“アメリカンな飲み物”以外に、思い出すものが個人的に2つあります。それが“メントスコーラ(メントスガイザー)”と“飲みすぎると骨や歯が溶ける”という説。
前者は昨今、動画でよく見るやつですね。ペットボトルの中のコーラにメントスを入れると、思いっきりその口から噴き出すやつです。けっこうポピュラーなアクションになっていますよね。実際これはコーラとメントスが引き起こす化学反応による物理的な変化で“ぶしゃああああああ‼”ってなります。
そして後者、骨や歯が溶けるという説ですが、まずもって、コーラを飲むことで、飲んだ人間の骨が溶けるということはありません。が、骨をコーラに直接、長時間浸しておくと溶けます。そしてこれはコーラに限った話ではありません。これも化学反応による物理的な変化ですね。
いずれも、夏休みの自由研究にもってこいな“コーラ”。実際にやっている学生さんもいらっしゃるようですが、実にこれらの現象を調べると面白い研究材料です。 そもそも、コーラ自体も面白い飲料です。
コーラといえば、さっと思いつくのが“コカ・コーラ”と“ペプシコーラ”ですね。今でこそ一般的に流通して、スーパーやコンビニなど、いたるところで売られているコーラ飲料ですが、発明当初のコーラは全然目的が違っていました。いずれも、そもそもは“治療薬”として売り出されたのです。
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