家で寝てても人はめっちゃ動いてる
地球は回っています。太陽の周りを回りつつ、地球自身もコマのように回っています。前者が公転、後者は自転、というのは、現代人の誰もがご存知かと思います。
まだまだ宇宙の法則を知らない子供の頃、地球が勝手に動いてるんなら、ジャンプするだけで移動できるんじゃね? と思ったものです。自転速度は時速約1700キロメートル、公転速度は10万8000キロメートルですから、赤道で1秒間ジャンプするだけで、自転だけで470メートルくらい進めそうですよね? みなさん、今いる場所からどこまで行けそうか想像してみて下さい。
が、実際は移動できません。それもそのはず、私達も地球と一緒に動いてますから。慣性の法則ってやつですね。
でも、なんで地球って動いてるんですかね? 動くってことは何かしら力が働いてるんでしょうけど、乗り物やら動物やらと違って、地球が動いている実感ってなかなか体験できないのもあるし、勝手に動いている感がありますよね。さしずめ太陽の位置で自転や公転は意識できますが、どうしても太陽が動いているように見える感は否めません。そして、動いているものは様々な要因でスピードが変わります。地球も変わっちゃってもおかしくないです。何が起こるかわからない宇宙、いつか回転が止まる日だってくるかもしれません。
公転、自転とも、その回転のスタートは太陽系誕生の46億年前まで遡ります。
宇宙には水素などのガスや、超新星爆発で飛び散った恒星の塵などが漂っています。宇宙空間には、それらの動きを妨げるものがないため、質量を持つものどうしは互いの重力でがっつんがっつん衝突していきます。すると、そのうち質量の大きいもの(重力の大きいもの)を中心として、ガスや塵が渦を巻いていきます。これが公転のはじまりです。銀河系はブラックホールを中心として渦巻いてると言われますし、太陽系は恒星である太陽を中心にしていろんなものがくるくる回っています。
この回転に伴い、太陽ができたあとの残ったガスや塵(太陽の重力に引き寄せられなかった物質)がぶつかって、地球を含む惑星たちができたと考えられています。残り物の1つに生命が誕生したんですね! 物質どうしがぶつかる時に、真正面からでなく、ズレた位置でぶつかったため、回転運動が加わり、それが自転になったのです。ほら、駅とかでオッサンとかに誤ってぶつかると、お互い少し回転するじゃないですか。それです。ぶつかったところ中心に回転運動が生じるのです。ぶつかった時にオッサンと素早く手を繋ぐと回転ダンスが踊れるはずです。
しかし、なぜ地球が自転しているってわかったんでしょうか? 普段の生活で「あっ!? 地球回ってる!」って気付かないし、気付いたとしてもその場で証明することは至難の業です。それをやってのけたのが、フランスの物理学者フーコーさんです。
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