星が今も遠ざかる 1点から広がる世界
『ビッグバン』という言葉を聞いたことがない人は、恐らくいないんじゃないでしょうか? そう、約138億年前に起きた宇宙の始まりを奏でる大爆発です。
この大爆発がなければ、いま私たちが知っている限りの宇宙はありません。星の輝きも、大地の恵みも、大好きなペットも、大嫌いなアイツも存在しません。もちろん自分自身も。私たちが今ここにいるのは、このビッグバンのひとつの結果なのです。そして、ビッグバンが起こった後、広がり続ける宇宙が今後どうなるかはわかっていません。無限に広がり続けるのか、それともある一定までいったら逆に縮んでくるのか、それとも成長がストップしてしまうのか……。色々な科学者たちが、遠く離れた星々を観察して、その答えを見つけようと今も研究を続けています。
けれど、よく考えてみてください。「なんで大爆発から始まったのがわかったん?」
そもそも論として、宇宙が大爆発から始まるだなんて、突拍子もない考え方だと思いませんか? そして、大爆発で宇宙が始まった! となると、今度は「なんで何もない状態から爆発が起こったん?」「なんで爆発からいろんなものができたん?」という新しい疑問が次々に湧いてきます。子供に突っ込まれると盛大に困るパターンです。そんな生意気な子供を一蹴する回答を用意しましょう。
まず、〝大爆発〟がなんなのか、ということですが、簡単に言えば〝エネルギーの急激な膨張〟です。ムリが少々ありますが、身近なモノで例えたいと思います。
冬と春の入り……この時期に欠かせないものが風邪と花粉症ですね。そう、人によっては〝ティッシュ〟が手放せない時期です。鼻をかんだあと、ティッシュをポイってごみ箱に捨てますよね。あいつら、丸めても勝手に開くじゃないですか。だから時々、ごみ箱の上からギューッって押すと、時に反抗心で「ポンッ!」と弾けて床に散乱、結果「ああああああ!」っていうもどかしい経験をしたことがある人もいるかと思います。
これです、〝エネルギーの膨張〟。この膨張が、ビッグバンという宇宙の始まりの定説を産んだのです。
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