俺たちの甘い楽園はコンビニにある
読書の秋、芸術の秋、食欲の秋、そしてスポーツ……じゃなくてスイーツの秋。秋といえば新作スイーツの時期なんですと声を大にして言いたい。でも人気のスイーツは、お店に並ばないといけないし、新しいものばかりで迷う暇もない……とお悩みではありませんか?
そんな心配を吹き飛ばすべく、我々が向かったのはコンビニエンスストア。並ばなくてもいい。新製品もたくさん。肝心の味だって、日々進歩しています。
今回は2部構成。各コンビニの気になる新作を3つずつ紹介する前半と、プリン、シュークリーム、ロールケーキを比較する後半です。「アスキー・ジャンク部」のメンバーとしてさまざまなコンビニ食を味わい尽くしてきた筆者・コジマがレビューしていきます。
選んだのは国内店舗数が多いベスト3、セブン-イレブン、ローソン、ファミリーマート。それぞれの新作を紹介し、そのあとは定番どころのレビューとなります。最後までじっくりおつきあいください。
新作チェック:セブン-イレブンは和に注目
セブン-イレブンは、ここ最近、スイーツ分野でヒット商品を世に送り出している印象があります。中でも、黒蜜をホイップクリームで包み、わらび餅で包んできなこをまぶした3層の和スイーツ「ふわっとろ くりぃむわらび(黒蜜入り)」は、ネットを中心に大きな話題を呼びました。
新製品で注目するのは、その続編ともいえる「ふわっとろ てぃらみすわらび」(120円)でしょう。“ふわふわとろっ”とした食感のわらび生地でティラミスを包んだ生菓子。ティラミスは2種のチーズ(マスカルポーネチーズ、クリームチーズ)を使ったコクのあるチーズホイップと、ほろ苦いコーヒージュレ。これまたヒットの予感です。
香ばしい風味のほうじ茶ムースとサツマイモを組み合わせ、トッピングとしてサツマイモあんホイップとムラサキイモホイップ、サツマイモの甘露煮、白玉、寒天、ホイップクリームを飾って仕上げた和風のパフェ「お芋とほうじ茶の和ぱふぇ」(298円)も、300円を切る価格とは思えない華やかさ。
「よもぎ香る草団子」(150円)のような、これぞ和菓子、という商品を揃えているのも、セブン-イレブンの強みです。秋らしく「和」でまとめてきている印象がありますね。
新作チェック:「ウチカフェ」シリーズで攻めるローソン
ローソンは「いつでもおウチがカフェになる」を合言葉にした「ウチカフェ」シリーズがおなじみ。こだわった品質のスイーツは、家でのティータイムにも活躍します。
特に「スプーンで食べる」がウリのロールケーキは大ヒット作で、シーズンごとに限定フレーバーが出ています。この秋にオススメなのは「プレミアム青森県産りんごとキャラメルのロールケーキ」(160円)。ビター感のあるキャラメルソースをクリーム・生地に練り込み、青森県産ふじりんご、ブロンドチョコパフをした、まさに今だけの味。
洋菓子ならサイズこそ小さめなれど、たまごのコクが紅茶にもコーヒーにも合う「ピュアエッグタルト」(158円)。あたためてもおいしく、気温が下がってくるこの時期にぴったり。
和菓子では、甘く濃厚な味わいが特長の安納芋ペーストでこしあんを作り、北海道産生乳でつくったクリームと組み合わせた「鹿児島県産安納芋の純生クリーム大福」(140円)に注目したいところ。
番外として……もちもち生地の中に北海道産牛乳入りのミルククリームが入った人気商品、「もちぷよ」(100円)。これは2007年発売でして、セブン-イレブンの「ふわっとろくりぃむわらび」(2016年)、および「もちぷにゃ」(2015年)あたりはこれに強い影響を受けている気がします。
新作チェック:アイディアが楽しいファミリーマート
ファミリーマートのスイーツは、通常のものと、やや高級路線の「ファミマプレミアム」ブランドに分かれます。しかし通常のもの……といっても定番商品もあれば、ちょっと変わった組み合わせのものもあり、そこがファミリーマートの個性になっています。
たとえば、安納芋と香ばしい黒ゴマを合わせ、ねっとりとした食感が特徴のカップデザート「安納芋と黒ごまのベイクドケーキ」(238円)や、プリンにマロンクリームを合わせた「イタリア栗のモンブランプリン」(238円)などは、アイディアを感じるファミリーマートらしい製品です。
ファミマプレミアムブランドでは、「ファミマプレミアム チーズタルト」がオススメ。シンプルなチーズタルトなのですが、使用しているクリームチーズ・生クリームの品質が確かなのでしょう、この価格にしてこのコクなのか! とうなってしまう出来になっています。