“明日試せる実践知”が共有された「JBUG Creative」第4回をレポート
Web制作の現場で「新人AI」は戦力になるか? 開発者とベテランが語るBacklog AIの育て方
プロジェクト達成のための“リズム”をBacklog×AIで学ぶ
続いては、ユーザー企業の登壇を紹介する。アイスリーデザインの平光蔵さんがPM・ディレクター観点から語ったのは、プロジェクトの「リズム」を体に取り込むためのBacklog AIアシスタント活用術だ。
ここで指すリズムとは、マイルストーンの達成に向けた「段取り」を意味する。1年におよぶプロジェクトであれば月1回のゲートレビューが重要になり、短期プロジェクトであれば週次のスプリントレビューが必須となるなど、規模や制約によって最適なリズムは異なる。平さんは、「計画段階でこのリズムが掴めると、プロジェクト全体の把握が一気に容易になる」と語る。
平さんがこうした考えに至った背景には、ディレクターになりたての頃の苦い経験がある。それは3か月のプロジェクトで、最初の3週間で要件定義書を作成する計画を立てていた。「しかし当時は、この期間内で『いつ・何を・どこまでやるか』という合意形成のイメージを持てないままスタートしてしまった。ずるずると物事が決まらず、結果として迷惑をかけてしまった」と振り返る。
その後、リズムを身に着けるために、時には痛手を負いながら実践を重ねると共に、過去のBacklogの課題や資料を片っ端から読み込んだという。ただ、後者の「過去のプロジェクトを学ぶ」というアプローチは、とにかく時間が必要だった。
そこで活用しているのがBacklog AIアシスタントだ。平さんが披露したのが、今年初めて運営に加わった「Backlog World 2026」での実践例である。イベント運営の経験がゼロの平さんは、去年のプロジェクトについてAIに探らせた。担当であるノベルティ関連のタスクが「いつから始まり、何をしたか」が明らかになったほか、今年の概要を伝えた上でマイルストーンまで作成してもらえたという。
「キャッチアップの初動が圧倒的に速くなった。特にすごいと思ったのは、出力結果を今年度のドキュメントに転記してくれたこと。年次の更新やキャンペーン対応の引継ぎでも役立つのではないか」(平さん)
こうしたAIの台頭で「誰もがPMやディレクターをできるのでは」という議論も生まれるが、平さんは否定する。漫画「ウイングマン」で、願望を叶えるノートでヒーローになった主人公が、中学生の鍛えていない体では十分に戦えなかった――というエピソードを引き合いに出した。
「自分自身に力がなければ、結局はAIも正しい効果を生み出せない。 適切な指示が出せる力、出力結果の正誤を判断できる力が非常に重要になってくる」(平さん)
もっとも、AIが経験の少ないディレクターの“強力な武器”になるのは確かであり、何より「他社の経験」を自分の中に取り込みやすい環境が生まれているという。
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