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ソフトバンクのIoT テックブログ

JC-STAR ★3とは? 制度の現在地と公開されている内容をざっくり解説

文●萩野豪太/ソフトバンク株式会社 1NCEマーケティング担当

提供: ソフトバンク

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※本記事はソフトバンク株式会社が提供するブログに掲載されたJC-STAR★3とは?制度の現在地と公開されている内容をざっくり解説(2026年7月28日掲載)を再編集したものです。

スマートビル、工場、公共施設、重要インフラなどで利用されるIoT(Internet of Things、モノのインターネット)製品では、単に「インターネットにつながる」だけでなく、長期運用を前提としたセキュリティ対策が求められます。

前回の記事では、IoT製品共通の最低限のセキュリティ要件である「JC-STAR ★1(レベル1)」について解説しました。

○前回記事:「JC-STAR」とは?~★1取得の進め方と通信の役割をざっくり解説(2025年9月公開)

今回はその続編として、より高い信頼性が求められる「JC-STAR ★3(レベル3)」について、制度上の位置付け、申請方法、対象製品、取得に向けて整理しておきたいポイントを解説します。

特に、2026年6月12日に★3適合要件が公開され、セキュリティ要件が更新された「通信機器」と「ネットワークカメラ」を中心に取り上げます。

なお、本記事執筆時点では、通信機器とネットワークカメラについては、★3セキュリティ要件と★3適合要件が公開されています。一方、★3評価ガイドは準備中です。IPAのWebサイトでは★3・★4の申請受付は2026年以降に開始する計画と案内されています。そのため、現時点では、対象製品・評価範囲・設計・証跡を整理し、申請開始に備える段階である点に留意してください。

※本記事の制度情報は、2026年7月27日時点でIPAが公開している資料に基づいています。申請・評価の詳細は必ずIPA公式サイトを確認してください。

図1:JC-STAR制度の全体像と本記事で扱う範囲

この記事でわかること

この記事では、以下のポイントを解説します。

 ・JC-STAR ★3の位置付け
 ・★3の申請方法・費用・有効期間
 ・★3の対象となる製品
 ・必須付随サービスを含む評価範囲の考え方
 ・申請開始前に整理しておきたいポイント
 ・IoT製品の通信設計で確認したいこと

1. JC-STARとは?

JC-STARは、IoT製品などのセキュリティ対策状況を評価し、ラベルとして可視化する日本の制度です。正式名称は「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」です。

IoT製品では、ルーター、ネットワークカメラ、センサー、ゲートウェイ、制御機器など、ネットワークにつながる製品が増えています。一方で、初期パスワードの放置、脆弱性対応の遅れ、不要なポートの開放、アップデート手段の不足などが原因で、攻撃者に悪用されるリスクもあります。

JC-STARは、こうしたIoT製品のセキュリティ水準を共通の物差しで評価・可視化し、調達者や利用者が製品を選びやすくすることを目的としています。

ただし、適合ラベルは「定められた適合要件に適合していること」を示すものであり、製品のセキュリティが完全に保証されるという意味ではありません。ラベル取得後も、脆弱性対応、アップデート、サポート、製品情報の更新などを継続することが重要です。

2. JC-STAR ★3の位置付け

JC-STARには、求められるセキュリティ水準に応じて★1から★4までのレベルがあります。

つまり、★3は「ベンダーが自社で確認しました」というレベルではなく、重要なシステムで使われることを前提に、第三者による評価を通じて信頼性を高めるレベルと理解するとわかりやすいです。

3. ★3の申請方法・費用・有効期間

★3は、★1・★2のような自己適合宣言ではなく、第三者評価を前提としたレベルです。

○申請方法

★3では、IoT製品ベンダーがIPAに適合ラベルの取得申請を行い、IPAと経済産業省による確認手続きの後、JC-STAR評価機関による適合評価を受ける流れになります。

評価機関は、評価結果を「適合評価報告書」としてIPAに提出し、IPAが認証・適合ラベル付与の判断を行います。

図2:JC-STAR ★3の申請・評価・ラベル付与の流れ

つまり、★3は製品ベンダーが自社で確認して申請するだけではなく、第三者評価機関による評価と、IPAによる認証・ラベル付与判定を経る点が大きな特徴です。

○コスト

★3の具体的な申請手数料や評価費用は、本記事執筆時点では公開されていません。

JC-STARでは、IPAに支払う申請手数料のほか、評価機関や検証事業者などに支払う評価費用を別途見込む必要があります。★3では第三者評価機関による評価が必要になるため、取得を検討する場合は、申請手数料だけでなく、評価費用や社内工数も含めて見積もる必要があります。

○有効期間

適合ラベルの有効期間は、原則として発行日から2年間です。

★3では、有効期間を延長したい場合、延長申請1回につき最大1年間延長できます。延長申請は最大3回までとされており、初回の適合ラベル発行日から通算5年間(初回2年間+延長最長1年間×3回)まで有効期間を延長できます。

合計5年を超える場合は、改めて★3適合ラベル付与の再認証が必要になります。

4. ★3の対象となる製品

本記事執筆時点で★3の要件が公開されている製品類型は、以下の2つです。

 ・通信機器
 ・ネットワークカメラ

○通信機器

通信機器の★3では、一般家庭向けのホームルーターや家庭用Wi-Fiルーターではなく、政府機関、重要インフラ事業者、地方公共団体、大企業などで調達・設置される通信機器が想定されています。

対象となるのは、ルーティング/スイッチング、フィルタリング、VPN(Virtual Private Network、仮想プライベートネットワーク)などの機能を持つ通信機器です。ファイアウォールやVPNルーター、L2/L3スイッチなどに加え、統合管理アプリケーションなどの必須付随サービスと組み合わせて利用される構成も想定されています。

これらの機器は、ネットワークの境界や内部通信の制御に関わるため、不正アクセス、踏み台化、設定情報の漏えい、ログの改ざん、サプライチェーンリスクなどへの対策が重要になります。

○ネットワークカメラ

ネットワークカメラの★3では、一般家庭向けのカメラではなく、政府機関、重要インフラ事業者、地方公共団体、大企業などで調達・設置されるカメラが想定されています。

具体的には、以下のような用途が想定されています。

 ・オフィスや公共空間の侵入監視
 ・発電所、水処理施設、石油・ガス施設などの遠隔設備監視
 ・重要インフラ施設の危険エリア管理
 ・研究施設や病院などの車両入構管理
 ・産業廃棄物処理場や試験室などでの異常熱検知

ネットワークカメラは映像・音声情報を扱うため、個人情報や機密情報の保護、通信の暗号化、保存データの削除、クラウドサービスとの連携範囲などが重要な論点になります。

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