株式会社インターネットイニシアティブ
APN等を活用した分散データセンター運用のユースケース拡充に係る社会実証を開始
当社は、九州電力株式会社(コンソーシアム代表)、株式会社ハイレゾ、Qsol株式会社、株式会社ビーブリッド、ギリア株式会社および株式会社ビットメディアと共同で、総務省の「ワット・ビット連携関連実証」の公募に対し、「APN(※)等を活用した分散データセンター(DC)運用のユースケース拡充に係る社会実証」の提案を行いました。その結果、本提案が2026年7月15日に採択され、8月から実証を開始したことをお知らせいたします。
(※)APN(All Photonics Network):ネットワークから端末まで、電気信号を使わずに光信号のまま情報伝送を行う技術のこと。従来の伝送方式と比較して低消費電力で、大容量、低遅延の伝送を実現する。
AIの普及に伴いDCの需要が拡大する一方、国内のDCは東京・大阪を中心とする大都市圏に集中しており、災害時の事業継続性や安定的な電力供給の観点から、地方への分散が求められています。また、九州では太陽光をはじめとする再生可能エネルギーの導入が進んでおり、その活用という観点からも、分散DCの構築に適した条件を備えています。
こうした背景のもと、本実証では、九州域内において、APN等で接続された多地点(3ヵ所)のDCを、仮想的な一つの大規模なDCとして統合運用するための先進的な分散デジタルインフラの確立を目指します。さらに、この分散デジタルインフラ上に複数のアプリケーションを搭載し、医療・介護施設、製造工場、自治体、まちづくり等、特定地域に限定されない社会課題の解決につながる4つのユースケース実証を通じて、現場運用を踏まえた技術実証を2027年2月までの期間で実施します。
実証概要
1. 実証期間
2026年8月~2027年2月
2. 検証内容
- 分散DC共通基盤の確立と一体的な運用の検証
APN等で接続された多地点にある分散DCを仮想的な一つの大規模DCとして運用するための分散デジタルインフラを確立し、一体的に運用する仕組みについて実証を行います。
- 社会課題解決型ユースケースによる技術実証
分散デジタルインフラ上に医療・介護施設、製造工場、自治体、まちづくり等、社会課題の解決につながるユースケースにより、現場運用を踏まえた技術実証を行います。
3. 各社の役割

4. 本実証の特徴と今後の発展
2025年10月から2026年3月まで実施したプロジェクトでは、九州の2拠点にDC機能を分散配置し、APN技術、分散データベース技術、ローカルLLM・AI画像処理技術等の検証を行いました。今回は、その取り組みを発展させ、佐賀県玄海町「ハイレゾ玄海DC」、福岡県糸島市「糸島サイエンスヴィレッジ(SVI)」および福岡県糟屋郡「IIJ福岡空港DC」の3拠点にDCを分散配置し、APN等の低遅延ネットワークで接続します。IIJは、IIJ福岡空港DCに加えて、糸島SVIへ自社開発のマイクロDC「DX edge」を提供します。
また、医療・介護、製造業、自治体、まちづくりの4分野で、社会課題の解決につながるユースケースを実証します。 さらに将来的には、再生可能エネルギー、蓄電池、DCを一体的に整備・運用する「オフグリッド型分散DC」の実現を見据え、その基盤となる技術的知見を蓄積していきます。
(ご参考)
2025年9月24日付プレスリリース:「九州電力、IIJ、QTnet、1FINITY、ノーチラス・テクノロジーズは、地域分散型デジタルインフラを構築・検証する実証プロジェクトを開始します」
https://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2025/0924.html
5. イメージ図

※実証プロジェクト全体の詳細は別紙PDFをご参照ください。
IIJおよびコンソーシアム各社は、各社の持つ豊富な経験・ノウハウを活かし実証に取り組み、将来的には再エネ、蓄電池、分散DCの連携によって電力とIT処理の最適なバランスを構成する「九州版ワット・ビット連携モデル」の実現に繋げてまいります。

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