リクルートのマネージャーから学ぶ、現場が動き出す「進め方のフレームワーク」
DXツールの定着あきらめてませんか? 一度は失敗したBacklog活用、現場定着の鍵は「推し活」だった
新しいツールを入れても現場に定着しない。正しいことを伝えているはずなのに、現場との距離感を感じる。現場と会社の方針との間で板挟みになっている。どれもDX推進担当者のよくある悩みだろう。
プロジェクト・タスク管理ツール「Backlog」を提供するヌーラボは、2026年4月22日、DXツールの定着をテーマとしたウェビナーを開催。ゲスト登壇したのは、リクルートの現場マネージャーである政岡裕士さんだ。一度は定着に失敗したBacklogを、「メンバーが率先して使い続ける場所」へと変えた、“高望みしない定着策”が共有された。
ツールが定着しないのは、ツールではなく“進め方”の問題
DX推進担当者の皆さんは、変革を促す経営層とこれまでのやり方にこだわる現場との間で、「どちらを立てても破綻してしまう」ジレンマに悩んだことはないだろうか。
ヌーラボのエバンジェリストである河野千里さんは、こうした板挟み状態でDXツールが定着しない背景には、3つの壁があるからだと解説する。
1つ目は、めんどくさいで終わる「定着の壁」だ。「入力が増えるのはしんどい」「今のやり方でも回っている」といった現場の心理は、最初の「手間」を乗り越えるだけの、メリットや楽になる未来が見えてないからこそ生じる。
2つ目は、正しい主張をしているのに動いてくれない「正論の溝」だ。「理想論と感じてしまう」「今はそれどころじゃない」と抵抗されてしまうのは、現場がDX施策を「自分ゴト」として捉えきれてないからだ。
3つ目は、言葉を尽くしても伝わらない「説明の限界」だ。会社と現場では見ている「視点」が異なるため、前提となる認識を揃えない限り、理解は深まらない。
河野さんは、「これらの“ツール導入の壁”は、ツールの問題ではなく『進め方』の問題」だと前置きした。
レガシーなExcelからの脱却を図るも、半年間浸透せず…
では、「どう進めれば」よいのか。実践例を披露したのは、リクルートの現場マネージャーである政岡さんだ。普段は、グループの従業員が利用するMicrosoft 365やAzure基盤の運用業務に従事し、Backlog歴は3年目とのことだ。
政岡さんがBacklogを推進するようになったきっかけは、「レガシーなExcel」によるプロジェクト管理の限界からだった。「ガントチャート的な形で、Excelでのタスク管理や予実管理を続けている企業も多いのではないでしょうか。私は一目で『これはやめよう』と思い至りました」(政岡さん)
リクルートに所属後、さまざまな組織やチームに携わる中で、現場ごとにツールが混在し、情報が分散する様子を目の当たりしてきた政岡さん。そして、チームを管理する立場になると、その課題はさらに浮き彫りになる。
Excelによるプロジェクト管理では、「タスクと目的の紐づけ」が曖昧で、プロジェクトの「ゴール」も見失われ、それ以前に「タスクの進捗やステークホルダー」が見えなかった。そこで、以前から使い勝手を評価していたBacklogを、チームに導入した。
しかし、最初の半年はまったく上手くいかなかったという。典型的な「推進者だけが頑張って、周りがついてこない」という状態で、政岡さんは原因を分析する。そして、以下の要因に思い当たったという。
・導入がゴールになっていた:ツールの導入に満足してしまい、現場で使われないまま、以前と何も変わっていない
・ルールの過剰な整備:利用ルールを細かく作り込み過ぎたゆえに、現場が使いづらい
・利用の強要による反発:現場が不便を感じていない中で強要したため、反発やズレが生じた
その後、「なぜBacklogを利用し始めたのか、自分の理想と現実とのギャップを埋めていくところから再出発しました」という政岡さん。
結局Backlogで実現したかったのは2つである。ひとつは、「情報の透明化」だ。チームが正しく「現状」を把握し、「共通認識」を持てる環境に変えたかった。もうひとつは「チームの効率化」だ。プロジェクト管理に時間を取られるのは本末転倒であり、メンバーに本来の仕事に注力して欲しかった。
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